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【マレッツコラム】12/8(日)vs.木下アビエル神奈川『流れを紡ぐ』

コラム

12/8(日) 日本ペイントマレッツ 3-1 木下アビエル神奈川
【第1マッチ(ダブルス)】横井 咲桜・大藤 沙月 2-0 木原 美悠・張本 美和 (11-5/11-5)
【第2マッチ(シングルス)】佐藤 瞳 3-1 チュ チョンヒ (11-5/7-11/11-9/11-3)
【第3マッチ(シングルス)】橋本 帆乃香 3-2 張本 美和 (11-8/11-9/3-11/6-11/11-8)
【第4マッチ(シングルス)】大藤 沙月 0-3 平野 美宇 (6-11/7-11/4-11)

8月から始まったノジマTリーグ 2024-2025シーズンも早いもので5か月が経過した。レギュラーシーズン全25試合中、日本ペイントマレッツはここまでで14試合を消化。昨シーズンから試合数が増加(20→25試合)し、選手個人としても国際大会(WTT等)への積極的に参戦することで連戦が続く過密スケジュールの中、チームは10勝3敗の“首位”で2024年の最終戦を『首位攻防戦』という形で迎えた。勝敗によっては首位陥落もあり得る重要な局面。3連敗中の悪い流れをどうしても断ち切りたい。そんな重要な一戦をアウェイの地、平塚で臨んだ。

こんなデータがある。昨レギュラーシーズン、ダブルスに勝利した試合『12』中、チームが勝利した数はなんと『11』。つまり第1マッチダブルスに勝利した場合、チームはほぼ勝利していることになる。今シーズンにおいてもその傾向は顕著で、ここまでダブルスが勝利した『9』試合中、チームが勝利した数は『8』。もちろん様々な要素が絡み合っての結果だが、統計上ではダブルスの勝利がチームの勝利に重要な要素であることは間違いない。また、Tリーグには独自ルールがいくつか存在し、ダブルスは『3ゲームマッチ、最終ゲームは6-6からスタート。最終ゲームのみデュースあり』というルールが導入されている。スリリングな試合を楽しめる反面、選手に普段以上のプレッシャーがかかっていることは容易に想像できる。

自分たちの勝利をチームの勝利に直結させ、更にはチーム全体を鼓舞する。それがTリーグにおけるダブルスの役割だ。そんな重要な役目をこの日託されたのは「Wさっちゃん(横井選手・大藤選手)」ペアだった。対する木下アビエル神奈川のペアは「木原選手・張本選手」ペア。両ペアは2週間前でも対戦し、Wさっちゃんペアは「0-2」で敗戦している。同ペアが勝利を落としたこの日、チームとしても手痛い一敗を喫した。世界で活躍する両ペアは手の内を分かり合った者同士の対戦であり、技術面、精神面だけではなく、戦術も重要な要素であると筆者は感じた。
結果、終始試合の流れを渡さなかった「Wさっちゃん」ペアが「2-0」で勝利し、前回のリベンジを果たした。2ゲーム目中盤の重要な局面、坂本コーチの「考えて、考えて」というアドバイスの声が響いたことが印象的だった。相手の戦術を読み解くこと。過去の試合データや選手の動向をプレー毎に分析し最善の一手を一瞬で考えること。自分たちの技術と経験を重ね合わせること。そんな積み重ねが勝利につながったと感じる。『卓球は100m走をしながらチェスをするようなスポーツ』と比喩されることがある。特徴を知り尽くした相手であったからこそ「考えてプレーすること」= 「戦術」の重要性が凝縮されたような一戦だった。

第1マッチを制し、よい流れに乗ったチームは第2・3マッチでも勝ち切り、結果「3-1」で2024年の最終戦に勝利した。試合後、大嶋監督は「今日は向かっていくだけ、その中で全選手が迷わずやり切った、勝ち切りました」と笑顔で話してくれた。実は、試合当日の朝から「今日はいける気がする」という予兆はしていたらしい。チームの雰囲気、選手の表情など全体からそう感じさせるものがあったのだろう。チーム全員で作り出したよい流れを絶やすことなく紡いでいくことが、結果としてチームの勝利に繋がると感じた一日だった。

次戦は1月初旬と少し間が空くが、選手たちは年末年始も練習の日々を過ごすだろう。2025年に向けて、反省するべき点は反省し、経験を一通過点としてしっかりやっていく。成長もあれば挫折もある。そんな中、少しでも成長することを求めて、選手は常に想いをめぐらすことが戦術となり、その積み重ねがチーム全体の流れとなる。
レギュラーシーズンは残り10試合。12勝3敗という好成績で2024年を締めくくったが、まだ先は長く、そして険しい対戦がまだまだ控えている。最後の”頂”に辿り着くまで、チーム全員でこのよい流れを紡いでほしい。
(Text by Shinya.K / Photo by Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT)

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