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【マレッツコラム】プレーオフセミファイナル 3/23(土) vs.日本生命レッドエルフ

試合

“超えた壁、超えられなかった壁”

日本ペイントマレッツ 2-3 日本生命レッドエルフ

【第1マッチ】橋本 帆乃香・佐藤 瞳 2-0 ソン メイヨウ・ソン イジェン(12-10/13-11)
【第2マッチ】橋本 帆乃香 2-3 赤江 夏星(11-13/9-11/11-6/12-10/9-11)
【第3マッチ】横井 咲桜 1-3 早田 ひな(11-7/6-11/3-11/8-11)
【第4マッチ】大藤 沙月 3-0 ハン シキ(11-8/11-6/13-11)
【ビクトリーマッチ】横井 咲桜 0-1 早田 ひな(9-11)

いよいよこの日がやってきた。2シーズン分の想いを背負ったセミファイナル当日。緊張・不安・楽しみ等、様々な想いを抱きながらやってきた決戦の地は、春とは思えない寒い朝を迎えていた。それぞれの予想を遥かに超える展開を予感させるように――

代々木での大阪ダービーは3時間を超える死闘となった。試合前「ガチンコ勝負になるんじゃないですか?」と話した大嶋監督の言葉通り、第1マッチから激しい戦いとなった。ダブルスに出場したのは、佐藤選手・橋本選手の“ひとほの”ペアだった。「レギュラーシーズン最後の試合後、割とすぐに伝えられました。練習ではほぼ毎日ダブルスの練習をやって準備していました!」と佐藤選手。レギュラーシーズンでは4試合の出場に留まったペアをセミファイナルへ起用した理由を大嶋監督に尋ねてみた。「理由は4つありました。1つ目は、芝田選手・大藤選手ペアでも勝ち難いと思ったこと。2つ目は、相手はカットダブルを予想していないだろうと思ったこと。3つ目は、2選手とも進化していて強くなっていること。そして最後は、レギュラーシーズン後半の立役者となった橋本選手が、オーダー開示で「第3マッチ開示」と指定され、橋本選手のシングルス出場を第4マッチにした場合にまわらないかもしれないこと。このように様々なことを加味し、佐藤選手・橋本選手のペアに託すこととしました」確かにスタッフでも予想していなかったダブルスだった。その起用に見事応えてみせた。「久々のTリーグでのダブルスで正直不安と緊張でいっぱいでした。でもこの大舞台で起用してもらったからには、何があっても勝とうとそう思って臨みました。プレー中はお互い意見交換やアドバイスをしながら、気持ちでは絶対に相手より1本でも多く返す!と、佐藤さんとの2人の気持ちの差で勝ちきれたと思います」と勝ち切れた要因を話してくれた橋本選手。佐藤選手もこう話してくれた。「セット後半の選択を迷わずにやり切れたことが1番だと思います!もちろん間違ってしまったなと思うポイントもあるのですが、迷わずに判断した結果なので切り替えて次に入れました!相手が中国人ペアだったのは想定外ではあったので、いつも以上に話しながらやらないとプレーが噛み合ってこないと思っていました。特に今攻めるのか守るのか、コース取りどうするかなど話していました」そして勝利の瞬間、今までに見たことない程の喜びを爆発させたことについても聞いてみた。「自分でもあんな喜びが爆発するとは思ってなくて、今写真とか動画みるとちょっと恥ずかしいくらいです(笑)しかもはっしー(橋本選手)は超微妙な顔していたので余計に(笑)」と照れながら話し、こう続けた。「今回はダブルスに出るという役割をいただき、その役割を受け取ったからには果たさなくてはいけないと責任を持って戦いました。またダブルスは佐藤・橋本、芝田・大藤のどちらかの選択だったので、出られなかった芝田の分も勝たなくてはいけない、情けない試合はできないと思っていました。芝田はダブルスの練習もしてくれていて、勝った時もすごく喜んでくれていたので私も嬉しかったです!」出場できなかったチームメイトの分も背負って戦っていた分、目に見えないプレッシャーもいつにも増していたように思う。それを力に変え“あと一本”を取りきれたのがダブルスの勝利に繋がり、あの満面の笑みが自然に出てきたのだろう。

ダブルスに勝利し波に乗るかと思われたが、そう簡単にはいかなかった。「自分では(第1マッチと第2マッチを連続で出場することを)気にしていないつもりでしたし、体も動いている状態で入れたと思います。ですが、なぜかプレーはぎこちなかったですね…。最近になって調子も上がってきて、出来ることが増えたことによって選択に迷いが生じてしまい、自分らしい思い切ったプレーをスタートから出せなかったかなと思います。割と身体的には問題なかったかなと思いましたが、ちょっとしたタイミングのズレやミスしている部分への修正に時間がかかってしまいました。そこはかなり課題になった部分です。プレッシャーとかそういったものは一切なく、どっちが勝ってもおかしくない内容の中で、相手の方が最後の一踏ん張りが強かったのかなと思います。試合内容としては悪くありませんでした。ただただ、悔しいです。最後の最後で24日に駒を進めることができず、悔しいし申し訳ないという気持ちでいっぱいです」と橋本選手。第4マッチで大藤選手が圧勝し、ビクトリーマッチに持ち込むも相手のエースに一歩及ばなかった。「経験の差ですね」と大嶋監督。「レギュラーシーズンより観客数も多く、またすり鉢状の会場の雰囲気はやりがいがありました。応援はいつも力を貰いますが、一層力強く熱い応援も心に響きました。試合は、2位との僅差はフロックでなかったことを証明できたとは思いますが、逆にその差が歴然とあることも思い知らされ悔しい敗戦でした。ファンもスタッフも一つになった、あの雰囲気の中で勝ちたい、一緒に喜びたい、と強く感じました」誰しもが思ったことを監督が大弁してくれた。

新たな壁に阻まれ、ファイナルへの切符には届かなかった。しかし、昨シーズン大きく立ちはだかった壁は確実に“超”えられた。「プレーオフは私にとってだけでなく、スタッフ、ファンを含めた“チームマレッツ全員”にとって特別な舞台だと思います。昨シーズン悔しい思いをして、今シーズンはプレーオフの舞台に立てた。そしてまた今シーズン悔しい負けを味わった。一段一段ですが来シーズンこそ優勝を果たせるように、また力をつけて戻ってきたいです」そんな橋本選手の言葉が染みた。悔しさは原動力になり、小さな芽をも成長させる。もうマレッツは次に向かって進んでいる。優勝という満開の花を咲かせるために――
Text by Naoco.M Photo by Yusuke Nakanishi

☆Today's ONE Shot☆photo by Yusuke Nakanishi

第4マッチ勝利後にチームメイトが待つベンチに走って戻ってきた大藤選手。大藤選手の笑顔が今のマレッツをあらわす写真になった。

今シーズンもマレッツを応援いただき、またスタッフコラムをお読みいただきありがとうございました。来シーズンも引き続き、日本ペイントマレッツをどうぞよろしくお願いいたします。

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