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【マレッツコラム】3/2(土) vs.トップおとめピンポンズ名古屋

試合

下剋上への一歩

日本ペイントマレッツ 3-1トップおとめピンポンズ名古屋

【第1マッチ】芝田 沙季・大藤 沙月 2-0 ユエン シュエジアオ・マー ユーハン(11-5/11-5)
【第2マッチ】橋本 帆乃香 3-1 南波 侑里香(11-4/10-11/11-7/11-2)
【第3マッチ】横井 咲桜 1-3 安藤 みなみ(11-7/7-11/10-11/9-11)
【第4マッチ】大藤 沙月 3-0 木村 香純(11-6/11-8/11-10)

プレーオフ進出という一山を超え、プレーオフ優勝へ向かう次の山へ登り始めた。出鼻をくじかれてはその山がとてつもなく高く思えてしまう。そんな意味でも重要な一戦だ。この守口といえば、昨シーズン2連敗しプレーオフを逃した地。昨シーズンを“超”える為にも、まずは一つ――

「やっぱりダブルスがポイントになってくると思います。この芝田・大藤ペアでしばらく試合に出てなかったんでそれがどうでるか…。でも、芝田選手も仕上がっているんで大丈夫だと信じています。そうは言ってもTリーグのダブルスは本当にやってみないとわからないんでね…」監督自身、大丈夫!しっかり練習してきたんだからその成果が出せるはず!と選手たちを信じながらも“気持ちを引き締めないと痛い目を見る”と言い聞かせながら話してくれていたように思う。やってみないとわからないというのは“よい意味”でもだ。今日のダブルスは圧巻だった。「最近ずっとダブルスで勝てていたので、自信を持って試合に臨めました」と大藤選手。芝田選手との“おおしば”ペアと青木選手との“さちき”ペアの違いについて聞いてみた。「青木のときは青木に思い切ってやらせることを意識しているんですけど、芝田さんのときは思い切ってやることを意識しています。そこが1番大きな違いだと思います」青木選手と組んだことによって変化があったという。「芝田さんとのダブルスは最近ちょっと噛み合ってない部分があったのですが、青木と組んでダブルスの忘れていた感覚を思い出した感じがありました。自分が優先してやるだけではなくて、パートナーを信じて、芝田さんは先輩ですけど思い切ってやらせてあげるくらいの気持ちを持つことを青木と組んでいるときに思いだしました。それを芝田さんとのダブルスでもその感覚を出せたので、久しぶりによかったと思います」青木選手という“スパイス”は見事にマレッツへよい効果をもたらしたことも感じられた。最後に自身が“思い切ってプレー”することについて聞いてみた。「やりやすい部分も多いですけど、調子がよくないときは多少プレッシャーになるときもありますよ(笑) 調子の良し悪しは試合の1本目でわかるんですけど、たぶん芝田さんはもうわかってると思います」と笑って話してくれた。長くともにする“パートナー”だからこそ苦楽も伴うが、だからこそ培うモノも大きいのだろう。

一方、芝田選手には前回ダブルスに出場したときと何か自分自身に変化があったのかと尋ねてみた。「前回ダブルスに出たときと意識的に変えたとこは特になくて。やることをしっかりできた感じです」この“やること”とは試合前の準備のことだそう。「気持ち部分で試合前は最高の準備をすること、試合は相手に合わせたうえでやるべきことをしっかりやる、ということを意識していて、そこが上手く繋がっていいメンタル状態で試合ができたと思います。この“準備”は、特に今年の全日本前からかなり意識していました。今までも準備はしていたんですけど、漠然としていてとりあえずやる!という感じではっきりしてない分、中途半端だったと思います。今は何のためにこれをするのかをはっきりさせて準備をしているので、頭が整理できた状態で入れています。特にダブルスの場合はパートナーがいるので100点の準備はできないからこそ、自分のやれる100点の準備は意識したうえで大藤に合わせるという感じでしょうか。ただ毎回それをしたからといって試合が上手くいく訳ではないんですけどね…。それでも、しっかり準備をするから何試合、何十試合、何百試合の中で1回だとしても最高の試合が生まれると思うので、そこは求めています」選手という“職人”である芝田選手を垣間見た気がした。そしてこう続けた。「平野(早矢香)さん(所属先ミキハウスの先輩)には準備で試合のほとんどが決まると言われていて、頭では分かっていても自分の中でスッキリした準備ができなくて…。ここ最近やっと調整方法やペースが馴染んできましたね。ただ、これも状態や年齢によって変わってくるものなので、拘りすぎずそのときに合ったやり方を選択できたらと思っています」“準備”に拘るのは“プロ”としての在り方も理由にあるようだ。「わたしたちは試合に来てくださるお客様からお金をいただいて生活している訳じゃないですか。そこに対して100%でやれないのは失礼じゃないかなと。試合で100%になるように調整していくのが重要だと思います。それも試合だけ100%は無理な話で、計算してやらないといけないと思います。自分が払う立場だったら、そうじゃない選手に払いたくないですもん!もっと早く気付けばもう少し強くなれたのかなと思いますが、気付かないままよりはよかったかなと思います(笑)」と話してくれた。そして芝田選手からは最後にこんな言葉があった。「大藤も今シーズンのMVPかかっているので気合い入っていたでしょうし、いいアシストはできたんじゃないかなと思います!」大藤選手自身、MVPをとれる位置につけていることへ全く気付いていなかったそうだ。「前回の名古屋戦前に芝田選手からMVPにとれる位置につけていることを教えてもらったんです」そして大藤選手はこう続けた「MVPへのプレッシャーは全くないです!笑 ダブルスとシングルスにどちらも起用してもらうことが多かったので、今は感謝の気持ちを込めて絶対取ってやろうと思っています。そのお陰なのか、意識してから連勝できています(笑)」大藤選手らしい言葉が笑顔とともに返ってきた。

試合後、大嶋コーチがぽつりと言った言葉があった。「このメンバーだからいいんですよ。誰一人欠けてもあかんのですよ」誰が試合に出場してもおかしくないメンバーが揃っている。それぞれが刺激し合いながら、チームが一つになって目指すところは決まっている。もう一山“超”えていく為にも、守口の地で大きな一勝を手にした。

Text by Naoco.M Photo by Yusuke Nakanishi

☆Today's ONE Shot☆photo by Yusuke Nakanishi

橋本選手の勝利を笑顔で迎える佐藤選手と芝田選手。一勝の喜びをチームで分かち合える瞬間を写真に残せたらと思い、カメラを向けて待っていた。

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