日本ペイントマレッツ 1-3 京都カグヤライズ
【第1マッチ】芝田 沙季・大藤 沙月 1-2 成本 綾海・枝廣 愛(9-11/11-5/8-11)
【第2マッチ】大藤 沙月 3-0 出雲 美空(11-2/11-8/11-8)
【第3マッチ】橋本 帆乃香 2-3 成本 綾海(9-11/11-7/11-6/9-11/9-11)
【第4マッチ】横井 咲桜 2-3 アドリーナ・ディアス(11-7/5-11/11-3/7-11/10-12)
福岡でのストレート勝利の余韻に浸りながら大阪の地に移動し、迎えたクリスマスイブ。アウェイ3連戦の2戦目は、どちらが勝ってもおかしくないゲームの連続だった。
今日のダブルスは対戦相手が右利き左利きのペアである一方、マレッツは右利き同士のペアで少し不利だった。加えて、初めて対戦するダブルスペアで相手のボールの起動や回転等に慣れていないこともあり、出だしからあまり良い流れではなかった。他の公式戦は、5セットマッチの為、それに慣れてから挽回できる。しかしTリーグでは3セットマッチしかない。マッチ数が短い分、より対応力が必要になってくる。それ故、初対戦のダブルスペアと対戦するのは難しいのだ。その特殊ルールがTリーグの面白いところでもある一方、選手にとってはその“怖さ”の方が上回るように思う。Tリーグの勝敗を大きく左右するダブルスは惜しくも1-2で敗れてしまった。
筆者が最も注目していたのは大藤選手の試合。相手とは何度か対戦していたらしく、最近で対戦したのが今年の8月。その時には大接戦の試合だったそうだ。今回も面白い試合になるだろうと思っていたが、試合になると大藤選手の強さが光った。得意の巻き込みサーブが非常に効いていた。大藤選手のサーブはどのような回転がかっているのか、わかりづらいのが特徴だ。普通はラケットの角度やボールの飛び方で回転の判断ができるが、大藤選手の場合は色々な工夫をしているため、相手は混乱して曖昧なボールしか返せない。甘いレシーブになったところをしっかり攻撃して、自分の点数にすることができていた。
ラリー戦になった時には、大藤選手が常に有利な展開を作ることができていた。大藤選手に何を意識したのか聞いてみると、「一定のボールだけになると相手は崩れてくれないので、いろんな緩急をつけてタイミングを崩すことを意識しました。練習でやっていることを試合で使えているなと感じています」と答えてくれた。一定のリズムだと相手の好きなように打たれてしまう。ところが、少しタイミングを変えるだけで相手は崩れてくれ、自分の優位なパターンにもっていくことができる。文にしてしまえば簡単に聞こえるが、緩急をつけようとすると質が低ければ相手のチャンスボールになってしまったり、自分自身が崩れてしまったりとなかなかうまくいかない。相当、集中して質の高い練習をしていないとできないことである。それを簡単にこなす大藤選手は、相当質の高い練習をしてきているとわかるような試合だった。
大藤選手の表情に、自信がついたように見えた。大嶋監督が試合前に「大藤がすごく強くなってきていているので頼りになります」と話していた通り、“期待の若手”から“頼りになる選手”へと変わってきたように見える。チームは惜しくも敗戦したが、次に繋げてくれるだろう。
(Text by Yu Uchinami Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT)
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