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【マレッツコラム】12/23(土) vs.九州アスティーダ

試合

“チームマレッツ”総力戦で掴んだストレート勝利

12/23(土) 日本ペイントマレッツ 4-0 九州アスティーダ

【第1マッチ(ダブルス)】橋本 帆乃香・佐藤 瞳 2-1 出澤 杏佳・首藤 成美(10-11/11-9/11-9)
【第2マッチ(シングルス)】横井 咲桜 3-0 田口 瑛美子(11-8/11-3/11-9)
【第3マッチ(シングルス)】大藤 沙月 3-2 シン ユビン(11-10/8-11/11-9/8-11/11-8)
【第4マッチ(シングルス)】芝田 沙季 3-1 野村 萌(11-7/10-11/11-8/11-8)

イルミネーションに彩られた福岡の夜。冷たい空気が身体突き刺すと同時に、心にも不安という名の矢が突き刺さった。佐藤選手が体調不良という一報が入ったのだ。連戦の初陣はどうしてもとりたい。この状況でどう乗り切るのか、マレッツのチーム力が試されることになった――
「前日に相手のメンバーがでた段階である程度プランを考えていましたが、佐藤選手が当日にならないとわからないということもあり、色んなプランを考えていました。どっちにしても総力戦だなと思っています」と大嶋監督。そう話した直後、佐藤選手が感染症ではないことが判明し、会場へやってきた。「熱はあるんですけど、なんとか出場します」と気力で何とか自らを奮い立たせるキャプテンがいた。どう見てもコートに立てる体調ではないことは一目でわかった。それでも何とかチームの為にと当日誕生日を迎えたキャプテンはコートに立った。こんな状況だからこそなんとか勝たせてあげてほしいと祈るばかりだった。
「佐藤さんの誕生日でもあったので、何とか勝ちたかったんです」と橋本選手。続けて試合をこう振り返る。「正直、出澤さんを起用してくるとは思っていませんでした。それに久しぶりのダブルスでトップバッターということに少し緊張していたかもしれません。なかなか自分たちのペースが掴めずシーソーゲームが続く流れでしたが、なんとか粘ってしぶとく一本を取ることを考えて戦った結果だと思います。長いラリーで得点できていたので大丈夫かなとは思っていたのですが、1セット目を取りきれなかったのは少し悔しかったですね。でも、佐藤さんともベンチとも意見が合っていて無理せずラリーに持ち込んでいこうと話をして、頭をスッキリまとめられたことで迷いなく2人で力を合わせて最後まで戦えたんじゃないのかなと思います!」カットマン2人にとって2ゲーム先取というTリーグ特有のルールに悩まされることも多い。「Tリーグのダブルスは短期決戦ということもありボールに慣れてから戦術を立てるということはなかなか難しいです。監督、コーチとある程度相談していたのですが、実際にやってみた時に1ゲーム目は攻撃的にいこうとしてしまい、焦りから自分たちのペース、流れに持っていけなかったと思います。本当に難しいですが、特にTリーグでは瞬時に対応する力をより強めていくべきだなと感じています」と勝利するも橋本選手は反省を口にしたが最後は「3連戦戦の初戦をとれてほっとしています。この勢いに乗っていきたいです!」と笑顔を見せた。

この日、勝利を決めたのは大藤選手だった。試合前にはリラックスした表情でこんな話もしてくれた。「シンユビン選手とは同い年で、小学4年生くらいから何度も戦っていますけど、今日は3年ぶりくらいかもしれません。いつも3-2とか2-3の接戦で勝ったり負けたりなんですよね。だから今日対戦できるのは楽しみです!」世界ランキング9位の相手にも動じない。大藤選手の“いつも接戦になる”という言葉どおり、お互い譲らない試合展開だったが、攻め続けた大藤選手が勝ちきった。「シンユビン選手は世界でも活躍しているので強いのはもちろんですが、自分も今練習でやっていることを出せれば勝てると思っていたので、苦しい試合だったんですけど最終的に勝つことができてよかったです」今日勝ち切れた要因を聞いてみるとこんな言葉が返ってきた。「自分にとってやりにくい戦術を最後は選択して勝負できたのが勝因だと思います。今日は自分にとってやりやすい戦術をとると相手が得点しやすい展開になっていたので、そこを変えられる決断ができたんです。練習の成果が少しずつ出ているなと自分でも感じました。ちょうど2日前に練習試合で同じような展開になって、そこで変えられなくて負けたんです。その時に学んだので勝つために変えられました。リスクを背負ってでもここで勝負しないといけないと思ったんですよね」と大藤選手。日々進化が止まらない19歳は、Tリーグを成長の場としてしっかり活かしていることに頼もしさを感じた。大嶋監督もこう褒め称えた。「スタートダッシュはよかったのですが、流石の対応力の高さで挽回されました。しかしながら、そのまま押し切られずに接戦のゲームを攻めてモノにし、相手のツキにも動じずに勝ちきった素晴らしい試合でした」そしてストレート勝利に対しては「若い2人が挑戦して成長し、お姉さん達が負けじとそれぞれの持ち場を固めて“皆で勝利”という今のマレッツの目指すチームの形が具現した嬉しい勝利でした!」と頬が緩んだ。

年末年始にかけて8試合続く初陣。どうしても取りたかった1勝は最高の形となった。昨日感じた筆者の不安は、みごとチーム全員が吹き飛ばしてくれた。そして、昨シーズン、誕生日に自身は勝利できず悔しい思いをした佐藤選手が見事リベンジを果たした。それぞれの“超”戦と進化がもたらしたストレート勝利は、帰路につく博多駅のイルミネーションを更に輝かせた。

Text by Naoco.M/Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT

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