日本ペイントマレッツ 1-3 木下アビエル神奈川

【第1マッチ】佐藤 瞳・橋本 帆乃香 0-2 長崎 美柚・面手 凛(9-11/10-11)
【第2マッチ】芝田 沙季 0-3 長崎 美柚(10-11/7-11/10-11)
【第3マッチ】大藤 沙月 2-3 木原 美悠(7-11/11-8/10-11/11-9/9-11)
【第4マッチ】横井 咲桜 3-0 牧野 美玲(11-3/11-5/11-7)

約2か月振りの試合。久しぶりの試合にドキドキ・ワクワクする気持ちがマレッツチームからすごく伝わっていた。試合がない期間はそれぞれ色々な所へ遠征に出向き、休む暇もなく練習やトレーニングに励んできた。良いときも、悪いときも常に新しいことに「挑戦」している。正解がわからない道をただひたすら進み続け、本番で答え合わせをする。それの繰り返しを常に選手・監督・コーチは試行錯誤しながら行っている。迷路のような日々だからこそ、根性も忍耐力も体力も必要になる。
対戦相手の海外選手が試合の直前に出場できなくなったことは、想定外であったが試合前には落ち着いて練習に取り組んでいる選手の姿を見て、大丈夫かと思ったが…簡単には勝たせてくれないのが、現在6連勝中と勢いが止まらない木下アビエル神奈川だ。
試合がいざ始まるとアビエル応援一色。チーム全体が勝たないといけないというプレッシャーを感じる中、カットダブルスの佐藤選手・橋本選手ペア、第2マッチの芝田選手はそのプレッシャーから迷いが見える試合だった。展開は悪くないが、なぜか点数が取れない。大嶋監督はカットダブルスについて試合後、「個人個人では色々変えて良くなってきてはいるんですけど…。ダブルスになると、なかなかうまくはまらないですね。試合内容はそこまで悪くないが、どうやってうまく自分たちの点数につなげていくか、これからの課題が見つかりました。今日の敗戦が次に繋がるようにしたいですね」と前を向いた話をしてくれた。

大嶋監督は続けて「今回の試合は負けてしまったが、大藤が成長した姿が見られて嬉しかった」とも話をしてくれた。どういう部分が成長したのか尋ねてみると、「いつも苦しい展開の時には同じことを選択してしまったり、どこか自信のない様子で試合をしてしまっていたりしたが、今回はやるべきことをしっかり決断し、自信を持って試合ができていました。成長を感じましたね！」と笑顔で答えてくれた。大藤選手は、先日、開催された国民体育大会で3位と好成績を残したのが自信になったのもあるのだろう。試合には惜しくも敗れたが、そこで得た小さな成長が今後の大きな勝ちに繋がると期待したい。
そして第4マッチに出場した横井選手は今シーズンＴリーグ初勝利となった。これまでの試合では勝たないといけないというプレッシャーがのしかかり、横井選手らしさが出ていなかったように見えた。今回はのびのびと試合をしていたように思う。勝因を聞いてみると「マレッツのファンやチームの皆さんがたくさん応援してくださったお陰で自分の中でエンジンがかかり、良いメンタルの状態で戦うことができました！」と横井選手らしいコメント。マレッツ側の応援はアウェイでもあり人数が少なかったが、一致団結して大きな声で応援してくれていた。ファンの応援が本当に心の支えになっているのだろう。
具体的に何を前回と変えたのか聞いてみると、コートを広く使うことを意識したそうだ。試合になるとどうしても同じコースに打ってしまう。なぜなら、ミスしたくないからだ。だが、同じコースばかり打ってしまうと相手はそのコースで待てる為、楽に返すことができる。今回は、ミスするリスクを背負ってでも色々なコースに打ち分け、相手の待ちを外したり相手のできることを限定させたりすることで、チャンスを作るようにしていたそうだ。試合前の練習中も、コースを打ち分ける練習をたくさんやっている印象だった。たった一つでも意識を変えることで、大きく展開が変わることがある。次戦の意気込みを聞くと「今回の初勝利の勢いのまま、次戦のホームゲームでも勝てるように頑張ります！」と頼もしい横井選手だった。

今回もマレッツにとっては悔しい敗戦となった。常に挑戦者として向かっていくことが大事だが、まだどこか守りに入ってしまっているように見える。ただ、厳しい練習に取り組み、懸命に努力をしている。選手たちにはもっと自信を持って試合に挑んでほしい。大嶋監督が言っていたように「価値のある負けだった」と言えるように前を向いて頑張ってほしい。自らを超えていく「“超”戦」はまだまだ続く…。

（Text by Yu.Uchinami　 Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT ）

【次戦】11 /3 14:00-vs.京都カグヤライズ ＠池田市五月山体育館