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【マレッツコラム】8/25(金) vs.日本生命レッドエルフ

試合

悔しさ滲む梅田の夜

日本ペイントマレッツ 2-3 日本生命レットエルフ

【第1マッチ】佐藤 瞳・橋本 帆乃香 2-0 笹尾 明日香・ソン イジェン(11-6/11-10)
【第2マッチ】横井 咲桜 2-3 森 さくら(7-11/11-9/9-11/11-3/9-11)
【第3マッチ】大藤 沙月 3-1 麻生 麗名(11-8/11-7/2-11/11-5)
【第4マッチ】佐藤 瞳 1-3 笹尾 明日香(11-10/9-11/4-11/9-11)
【ビクトリーマッチ】大藤 沙月 0-1 森 さくら(8-11)

Tリーグならではの“今日”がやってきた。卓球だからできる、商業施設での試合だ。グランフロント大阪という大阪では馴染みのある場所での開催だが、コートが出来上がるまでは実感がなかった。選手たちにとっても初めての経験。いつも通りのプレーができるのだろうか、試合中どんな雰囲気になるのだろうか、そんな不安は誰しもが少なからず抱いていた。この商業施設での開催が追い風になるのか、向かい風になるのか――
前日、取材で設営前の会場へ芝田選手、橋本選手、大藤選手、横井選手が立ち寄った。「思っていたより天井が高い…」と大藤選手。天井が高いとロビングなどのときに微妙な風の影響を受けやすくなるそうだ。商業施設で試合ができるというワクワク感、一方商業施設で試合をすることが初めてで“経験がない”ことへの不安、チケットがなくとも試合が観られ、Tリーグを知ってもらえる機会になることなど、4選手は口にしていた。結果は――
ビクトリーマッチまでもつれる接戦となった試合は、苦杯を喫することとなった。「勝敗の分かれ目は横井選手の試合だったと思っています。内容的には勝ってもおかしくないできでした。実際、勝ったゲームでは一方的に押す展開もありましたしね。しかし、森選手の経験からくる勝負のかけ方、Tリーグでの勝ち方を熟知した諦めない姿勢によって引き寄せたツキ、そこが分かれ目だったと思います」と大嶋監督。勝敗の分かれ目となった第2マッチを戦った横井選手はこう振り返る。「全日本で一度対戦したのですが、全日本とは雰囲気が違い、森選手は絶対勝つという雰囲気で1ゲーム目からきていたので、それに押されてしまったのはあったと思います。でも、それではダメだと思って2ゲーム目からしっかり立て直せたのはよかったと感じています。でも、やっぱり最後のゲームになるとどっちかが勝つかわからない展開でそこで打ちミスや凡ミスが続いてしまったので、そこを我慢できたらなと思いました。次に出させてもらう時は必ず勝つという強い気持ちで入って、しっかり一点を取りチームの勝利に繋げていけるように頑張ります!」悔しさを滲ませながらも前を向く横井選手。Tリーグ独特雰囲気、プレッシャーの中で勝っていくことの難しさとともに、そこを乗り越えていければ大きく飛躍できる可能性があることを感じさせる。

キャプテンの佐藤選手に今日いつもと違う会場での1戦について聞いてみた。「イメージでは外部の音など気になることがあるのかなと思っていましたが、全然気になることなく、ほとんど体育館でのプレーと変わらずできたかなと思います。やり辛さは全く感じなくて、広い空間でしたが、いつもより観客の皆さんとの近さを感じて応援してもらっている感が強かったです」と話してくれた。ただ試合については“不甲斐ない試合”と振り返る。「ダブルスの自分のプレーがあまり良くなくて、第1マッチ後に少し喝を入れられました。しっかり切り替えてやらなあかんと。それもあって気持ちは切り替えて入ることができたのですが、第4マッチでは試合の中で上手くいかないことに囚われすぎて見失ってしまった感じがありました。今日の負けは本当に反省するべき試合だったと思うので真摯に受け止めまた頑張ります」と悔しさを滲ませながらもどこまでも冷静で謙虚だった。
負けた悔しさとはまた異なる“悔しさ”を味わった選手がいる。芝田選手だ。誕生日を迎えたこの日、マレッツに所属して初めて、ベンチ入りしたもののオーダーに名前がなかったのだ。「こんなに無力感味わったことなかったです」と芝田選手。「自分が試合にでられず負けることが、こんなにも無力感に苛まれて悔しいものかと思いました。でもこの感情を経験できてよかったとも思います」それぞれ味わった悔しさの味は違うだろう。この敗戦を糧にできるか否か、それぞれの真価が今後問われる。
(Text by Naoco.M Photo by Yusuke Nakanishi)

☆Today's ONE Shot☆photo by Yusuke Nakanishi

芝田選手の人柄とチームメイトからの信頼が溢れた一枚になったと思います。芝田選手お誕生日おめでとうございます!

☆Another Story☆

グランフロントでの開催について、大嶋監督はこんなことを話してくれた。「他の商業施設開催の試合を映像で見ていたのでほぼイメージ通りでしたが、もう少し明るいと思っていました。勝負の場としては不具合(練習場が遠い・狭い、照明が低い・暗い等)もありましたが、観客が近くて一体感が凄く『応援してもらっている』『プロとして卓球をしている』実感が強かったです。興行としてこういう場所での試合も必要なのだと思いました」また横井選手も「商業施設でやる機会がなかったので、打感や感覚を掴むのが難しいと思っていたのですが、意外と打感や感覚がよく、いい状態で試合ができたと思いました。お客様の雰囲気は、立ち見できるということもあり人が多くて色々なところから『横井さん頑張れ!』という声が聞こえてすごく試合が楽しくできたと思います!」と話してくれた。わたしたちスタッフにとっても、“超”というスローガンの通り、新たなチャレンジだったグランフロント大阪での開催。「こんなところで試合をやってくれるならまた来たい」と話してくれる方も。一方、言い換えると会場まで足を運ぶまでは至らない、という厳しい声にも聞こえる。伸びしろをしっかり伸ばしていけるか否か、わたしたちスタッフにも真価が問われると痛感させられた1日となった。

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