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【試合結果】2/26(日) vs.日本生命レッドエルフ

試合

あと“1点”届かなかった、代々木への切符

2/26(日)日本ペイントマレッツ 1-3 日本生命レッドエルフ

【第1マッチ】芝田 沙季・大藤 沙月 1-2 赤江 夏星・早田 ひな(11-10/8-11/6-11)
【第2マッチ】横井 咲桜 0-3 早田 ひな(9-11/10-11/4-11)
【第3マッチ】岡田 琴菜 0-3 伊藤 美誠(9-11/6-11/5-11)
【第4マッチ】大藤 沙月 3-0 森 さくら(11-4/11-8/11-6)

何故だろう。変えられない過去へ悔しさ滲む中にもどこかスッキリしている気がした。掴みかけていた代々木への切符は、赤い女王の手元へ渡ってしまった。なのに―――。大きな荷物を背負い続けて戦った2月。想い、重い荷物をおろし、ここからがスタート劇場の緞帳があがるかのように…。
プレーオフ進出を決めようと意気込んだ1戦を落とし、決戦の朝の目覚めは悪かった。ただ泣いても笑っても今日の1試合。落ち込んでいる暇はないと自らを鼓舞する選手・監督・コーチの姿があった。「昨日悔しすぎて夜ご飯食べられなかったんです」と橋本選手。「10-10が2ゲーム連続で…。どちらか1点取れていればわからなかったと思っているんで、改めてTリーグの難しさと面白さを感じていました」と何とも言えない悔しさ滲む表情を初めて目にした。この試合が難しい試合になると感じていたからだろう。選手それぞれ、過去の試合への後悔を口にする姿が試合前からあったのだ。
そして運命の1戦。最低でも2マッチを取らなければプレーオフには進めない。「ダブルスが運命を左右したと思います」と大嶋監督。「今シーズンを象徴してしまったと思いました。やはりダブルスが取れるか取れないかで大きく変わるんですよね。ダブルスは特にTリーグ独自のルールの難しさを感じさせられます」と喪失感を抱きながら言葉を絞り出してくれた。いつもは芝田選手をリードするかのようにプレーする大藤選手が、第1マッチはらしくないように筆者からは見えた。試合後、大藤選手に尋ねてみた。「絶対に勝たないといけないと思って試合に入ったんで、かたくなっていたと思います」小さな背中の“32”番がいつも以上に大きなプレッシャーを背負って戦っていたことを実感した。その呪縛から解き放たれた第4マッチは、まさに”大藤劇場“だった。「プレーオフには行けないことは決まっていたけど、ファンの皆さんの前でできる今シーズン最後の試合だったので、感謝の気持ちがすごく大きかったです。戦術は立てずにどんなボールが来ても全部いれてやると思って試合に入りました」と大藤選手は圧巻の試合を振り返った。

こらえていた涙を抑えきれなかった選手が2選手いた。今シーズンなかなか勝てずにいた佐藤選手だ。「プレーオフに進めるかどうかは昨日今日にかかっていましたが、それまでの試合で自分が勝っていたらこんなことになっていなかったよなと思って…。昨日今日負けた選手に責任はなくて、自分の責任だなと思って申し訳なくて…。そんな想いと同時に、自分が負け続ける中でもチームに勝ち星をあげてくれたチームのみんなや「次は絶対にいける!」と言い続けてくれたスタッフの方々、勝っても負けても変わらず応援してくれるファンの方がいてくださって、前を向き続けることができたと思うと感謝の想いも込み上げました」と様々な想いが交錯し大粒の涙になったという佐藤選手。そんな言葉に続けてこんなことも話してくれた。「他のメンバーはインターハイ団体の連覇がかかって負けられないという状況を経験していますが、わたしはそこまで経験なくて、その未熟さが負け続けてしまった原因でもあったのかと思っています。団体戦は個人戦とは全然違って、プレッシャーの重さが半端ないです(笑)その分勝った時の喜びも大きいので、そこが魅力だと改めて感じました。とても苦しいシーズンでしたが、「独りじゃない」と本当に思えて、だからこそ「次こそは!」と前を向いて進み続けることができたと思います」とチームメイトへの感謝の言葉を口にした。

そしてもう一人は、責任を背負い続けてきた“キャプテン”芝田選手だ。「自分があの試合(2/4vs.京都 第2マッチの第5ゲーム)であと1本取っていれば(プレーオフへ)行けたんです。キャプテンである自分の責任です」と口にする。「キャプテンらしくないと思っているので、プレーや様々なことへの取り組む姿でしか引っ張れないと思ってやってきたんですけど…プレーオフ進出っていう結果を出せなかったんで…キャプテンとしてダメですね。勝負どころ、特に2月に自分が勝てなかったのが今の実力なのかなと思っています。調子どうこうっていうよりもプレースタイルを進化させていかないと、同じスタイルでは勝ち続けることはできないと感じてます。やっぱり、シーズン通して勝てる選手にならないといけないし、相手がやってくる対策を超えてくる選手が本物ですよね。今シーズンの責任をとるためにも強くなって来シーズン勝つしかないと思っています。更に上目指します」と反省を述べる中にも眼差しを未来へ向けるキャプテンがいた。そして最後に応援してくださる全ての人へ、こんな言葉も口にした。「皆さんが応援してくださる中で試合ができることは、ただただ嬉しいんです。キャプテンとして何もできませんでしたが、イベントや試合を通してマレッツを少しでも知ってもらえて、好きになってもらえたら本当に嬉しいです!最高のチームの一員として戦えたことは、わたしの誇りなので。本当にありがとうございました!」と涙をこらえながら感謝の意を綴ってくれた。“自分はキャプテンとして何もできていない” 芝田選手がよく口にする言葉だ。果たしてそうだろうか?キャプテンの背中があったからこそ、チームはここまで歩んでこられたと、少しは自分を褒めてあげてもよいのではないか。キャプテンという運命(さだめ)を起爆材に変えている芝田選手は、どんなキャプテンよりも頼もしく映る。何より、チームを試合で牽引するだけではなく、観戦に来られるお客様のことを考え行動してきた姿には頭が上がらない。最高のキャプテンであり、キャプテンの鏡だ。そう感じているのは筆者だけではないはずだ。
このチームで戦える日がもうないことは残念でたまらない。まさかの2日間の悪夢。こんな悲劇的な幕切れは誰も予想できなかった。あと一歩で壁を登れるというところから落ちてしまった。でもここからだ。“高ければ高い壁の方が登った時気持ちいいもんな”そんな歌詞が脳裏によぎる。きっと悔しくて苦い2022-2023シーズンがあったからこそ、この完全優勝があると言える日が来る。マレッツの終わらない旅というドラマは、また新たなシーズンへ続いていく。
(Text by Naoco.M / Photo by Yusuke Nakanishi)

☆Today's ONE Shot☆photo by Yusuke Nakanishi

試合開始直後からチーム戦とホームゲームの魅力を一つにして残したいと思い、撮影した一枚。マレッツらしいホームゲームの雰囲気が伝われば嬉しい。



最後に、今シーズンもスタッフコラムを読んでくださった皆さまに感謝申し上げます。文章を書くのは素人のわたしたちですが、スタッフだからこそ見えるチームの様子が少しでも皆さまへ届けたいという一心で毎試合描いています。勝つ日もあれば負ける日もあります。でも、それでも、皆さまがいてくださるからこそ日本ペイントマレッツは、前へ進んでいくことができます。そしてわたしたちもこのコラムを届けることができます。これからも皆さまとともに歩んで参りますので、これからもどうかチームの背中を押していただければ幸いです。ノジマTリーグ2022-2023シーズンの温かい応援をありがとうございました。

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