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【試合結果】2/25(土)vs.九州アスティーダ

試合

運命の分かれ道

2/25(土)日本ペイントマレッツ 2-3 九州アスティーダ

【第1マッチ】芝田 沙季・大藤 沙月 2-0 塩見 真希(11-6/11-10)

【第2マッチ】佐藤 瞳 3-1 野村 萌(11-6/5-11/11-10/11-3)

【第3マッチ】橋本 帆乃香 0-3 牛嶋 星羅(10-11/10-11/5-11)

【第4マッチ】芝田 沙季 0-3 加藤 美優(9-11/4-11/7-11)

【第5マッチ】横井 咲桜 0-1 加藤 美優(6-11)

会場は寒いことも忘れてしまうほどカラフルな色に包まれ、アットホームな雰囲気だった。手作りのボードや、名前入りうちわ、虹色の装飾品を身に付けてくれるマレッツファンを見て、選手全員が“勝ちたい”と思ったに違いない。ただ一方で、その思いが強くなればなるほど、肩に力が入り、プレーが硬くなることがある。この日のマレッツは全体的に緊張が勝ってしまったのではないだろうか…。大嶋監督は試合後「こんなにたくさんの方が応援してくださる中で勝てないのは非常に悔しいです。勝ちたい気持ちが強くなって力が入ったのではないかと思います。この日の九州アスティーダ戦に向けての対策をたくさんしてきたんですけどね…。どんな状況や場面でも勝てるようにしたいですね」と悔しい表情で振り返った。

そんな中、この日の注目はシングルスで勝利を掴んだ佐藤選手だ。佐藤選手は今シーズン2022年9月17日の京都カグヤライズ戦以来、シングルスで勝ち星をあげることができていなかった。なかなか勝つことができずに涙している姿を何度も目にしてきた。試合前はコートに入る彼女の眼差しは自信に満ち溢れていた。監督・コーチと何度も話し合い、いろんな対策を練ってきたのだろう。
1ゲーム目に11-6で先制し良い流れだ!と思ったが、2ゲーム目は5-11と追いつかれた。ゲームカウント1-1と並んだ3ゲーム目が勝負の鍵だった。佐藤選手が9-8のリードで自分のサーブ。ここは1本取りたいと誰もが思う場面でサーブミスをした。会場はざわつき「ああ…」という声が漏れた。普通はこのサーブミスを引きずってしまい、流れが悪くなることが多いが、今日の佐藤選手は違った。サーブミスをしても冷静だった。その時の心境を聞くと「今シーズンのTリーグで状況が悪くなることに良い意味で慣れたからどんなピンチな場面でも気持ちが揺れなくなったし、仕方がないと切り替えることができました」と笑顔で話してくれた。10-10になり、1本勝負で大事な場面で再び、佐藤選手のサーブが回ってきた。見事、サービスエースで3ゲーム目を取ることができた。そこから一気に勢いの波に乗り、4ゲーム目を11-3と点差をつけて取り、勝利した。今回の勝因・感想を聞くと、「今まで悔しい思いをたくさんしてきた分、絶対勝ってやるという気持ちで臨みました。内容はあまり考えすぎず試合に入りました。今シーズン負け続けて凹むこともあったけど、マレッツの皆が頑張ってくれたり、周りのスタッフやファンの方々が変わらず声をかけてくれたりしたので頑張ることができました」とコメントしてくれた。今シーズン、勝利の女神は佐藤選手に長くて暗いトンネルのような試練を与えたではないだろうか。まだまだこれからの成長が楽しみだ。

マレッツは2-3と惜しくも敗れてしまった。気持ちは落ち込んでいるに違いない。それでも帰る時には「ありがとうございました!明日頑張ります!」と明るく笑顔で宣言し、選手たちは帰って行った。明日の試合で運命が決まる。マレッツらしく、楽しんで、気持ち良くプレーしてほしいと思いながら、選手の背中を見送った。
(Text by Yu.Uchinami  /Photo by Yusuke Nakanishi)

☆Today's ONE Shot☆ photo by Yusuke Nakanishi

試合中は佐藤選手の集中力、勝ちに対する想いに圧倒された。ボールを見る目の表情にいつも以上に注目しながらシャッターを切った。

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