12/3(土) 日本ペイントマレッツ 3 - 1 九州アスティーダ
【 第1マッチ(ダブルス) 】芝田 沙季・大藤 沙月 2-0 枝廣 愛・塩見 真希(11-8/11-3)
【第2マッチ(シングルス)】芝田 沙季 3-1 出澤 杏佳(11-9/10-11/11-7/11-7)
【第3マッチ(シングルス)】佐藤 瞳 1-3 塩見 真希(8-11/7-11/11-6/10-11)
【第4マッチ(シングルス)】橋本 帆乃香 3-0 野村 萌(11-7/11-4/11-8)
雪景色が広がる新潟の朝。昨夜の吹雪から一転、昇り始めた太陽が眩しいほどに光がその道を照らしだす。なかなか光の街道に乗り切れないマレッツの背を押すかのように――
「オーダーは悪くないと思うんです」と試合前に話してくれた大嶋監督。そしてこう続けた。「ただ、この前のこと(*)があったんで、安心はできないですよね…」と一瞬表情が曇った。そんな監督の不安をよそに、選手たちは練習から集中していた。ピリっとスパイスの効いたような空気感は、ある意味心地がよいと感じる程だ。今のマレッツにはこの“スパイス”がどうやら必要らしい。
今日のマレッツを勢いづかせたのはダブルスだった。「ダブルスは特に勝ちたい」とキャプテン芝田選手は言う。その1勝の重さを解っているからこその言葉だろう。今日の“おおしば”ペアはいつにも増して攻撃の手を緩めない。2ゲーム目、7-3とリードし相手のタイムアウト明け。1点取られると流れががらりと変わる場面だったが相手に隙を与えず、一気に勝負を決めた。試合後、2選手に話を聞くと互いへのリスペクトを垣間見た。「ダブルスの勝利は大藤(選手)のお陰です。信頼しているので、安心して自分のプレーができるんです。毎試合しっかり話し合って、いい準備ができています」と芝田選手。一方、大藤選手は「芝田さんが最初からいい動きをしてくれたので、つられて自分もいい動きができました」と話した。ダブルスに出ると1選手はシングルスに出られず、大藤選手は悔しい想いをしているかもしれない。しかしながら、芝田選手がそんな想いをも受け止めてダブルス・シングルス、ともに戦っているように思う。“おおしば”ペアのよきコンビネーションも後半戦のキーになるだろう。
新潟初開催となる試合の勝利を決めたのは橋本選手だった。10月7日福岡での試合と同じ対戦カードとなった第4マッチ。一度勝っている相手だからこそやり辛いのでは…という筆者の心配は、あっさり1ゲームで払拭された。いつにも増して気迫を感じ、最初から攻撃的だったのだ。「入りから動きがよくて、いい流れに乗っていましたね」と大嶋監督。橋本選手も同様「スタートから動けていい流れを掴めました」と口にした。3ゲーム目、3-7と相手にリードされた場面も落ち着いていた。「焦ってしまう前に“練習してきたこと、ベンチで言われたこと、今相手に効果的な戦術に集中しよう、それをしたら大丈夫だ”と言い聞かせたので、よい精神状態が貫けたんです」と橋本選手。流れを一気に引き戻し見事な逆転劇で3ゲームを制し、勝利を決めた。
追われる立場だからこそ難しい試合を強いられることもあるだろう。相手とも自分自身とも戦い攻め続けることが、後半戦に光の街道を走り続けられるか―それを左右する。そんな選手たちの試合っぷりに加え、選手たちそれぞれが抱える“何か”にも思いを馳せて戦いを見ていただきたい。
Text by Naoco.M Photo by /T.LEAGUE/AFLO SPORT
(*)10月23日vs.トップとの試合を意味する
【次戦】12/4(日)13:00~ vs.日本生命レッドエルフ @新発田市カルチャーセンター
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