10/23(日) 日本ペイントマレッツ 1-3 トップおとめピンポンズ名古屋
【 第1マッチ(ダブルス) 】佐藤 瞳・橋本 帆乃香 0-2 鈴木 李茄・南波 侑里香(10-11/10-11)
【第2マッチ(シングルス)】大藤 沙月 1-3 安藤 みなみ(1-11/11-4/3-11/7-11)
【第3マッチ(シングルス)】芝田 沙季 1-3 南波 侑里香(4-11/6-11/11-9/10-11)
【第4マッチ(シングルス)】橋本 帆乃香 3-1 木村 香純(11-8/11-7/10-11/11-7)
“魔物”――それは己の奥底に潜み、一瞬の隙を見逃さず、私たちの前に現れる。今日のマレッツは、それに支配されてしまった。
卓球素人の筆者から見ても、試合前のコンディションは全選手整っているように映った。加えてオーダーも悪いわけではない。相手はホーム3連勝と波に乗っていたが、その勢いを止められる可能性は高い。心のどこかで筆者はそう思っていた。そう、それこそが魔物だ。開幕戦後に大嶋監督が語った「点差のような実力差はなく、どっちに勝利が転がってもおかしくない」という言葉通り、今日は勝利がするりとこぼれ落ちた。
Tリーグの試合では、第1マッチ・ダブルスの勝敗が左右してくる場合が多い。今日はその典型のように思えた。マッチカウントとしては「0-2」だったが、両ゲームともあと1点が取れず落としていた。相手の勢いを断ち切り、マレッツに勢いをもたらすはずだったダブルスを落としたことで歯車が狂ったように見えた。
試合後、大嶋監督に尋ねてみた。「選手たちはそれぞれ、試合はやってみないとわからないという気持ちを持っていたと思いますし、しっかりと準備をしてコンディションもよかっただけに・・・」と言葉を詰まらせ悔しそうな表情を浮かべて、こう続けた。「トップさんは開幕戦でマレッツに負けていることもあって、向こうはリベンジと意気込んでいたはずです。強い気持ちもあり、ここぞというときに捨て身の勝負くらいの挑み方をしていたので、相手に流れを渡してしまいました。皆、コンディションもよく調子がよかった分、ダブルスを落としてから、あれ?こんなはずじゃない…と伝染してしまったようでした」
立ち込めた暗雲を振り払えるチャンスもあったように思える。それは第3マッチ、芝田選手が2ゲームを落とし0-3とリードされたタイムアウト後だった。取りつかれていた魔物を吹っ切ったかのように、流れを引き寄せこのゲームを奪取した。ここから巻き返せる空気感があっただけに、4ゲーム目でのあと1点に涙を呑むことに…。「芝田選手が一番悔しいと思います。状態もよかったですし、日々すごく頑張っているのを見ているので。私でも悔しいのに…」と気丈に振る舞うキャプテンを気遣い、期待を込めて話す。「ショックも大きいと思います。でも、何度も目の前に現れる壁を乗り越えてきた。彼女ならば今の試練も乗り越えられると思いますし、それくらい期待しているんです」そして最後に力強い言葉を残した。「受けて立つには相当な実力差がないと難しいです。やっぱりどんな時でも向かっていく気持ちで攻めないと!実力差が拮抗するTリーグでは、わたしたちも上位のチームに勝てるチャンスがあるということなんです。苦しさを皆で共有して、最後に笑えると信じて!!」
全員が悔しい1戦になった。第4マッチで勝利を収めた橋本選手も内容には満足していないようだ。魔物はこれからも時折私たちの前に現れるだろう。自分という魔物にも勝った時、きっとTリーグの頂が見えてくる。
【次戦】11/4(金)18:30~ vs.木下アビエル神奈川 @ベイコム総合体育館
Text by Naoco.M Photo by /T.LEAGUE/AFLO SPORT
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