※第1ゲームは、セミファイナルルールによりマレッツにアドバンテージ
【 第1マッチ(ダブルス) 】フォン ティエンウェイ・大藤 沙月 1-2 佐藤 瞳・橋本 帆乃香(11-0/10-12/8-11)
【第2マッチ(シングルス)】小塩 遥菜 3-0 面田 采巳(11-0/11-7/11-4)
【第3マッチ(シングルス)】芝田 沙季 3-1 佐藤 瞳(11-0/5-11/11-3/11-8)
【第4マッチ(シングルス)】大藤 沙月 3-0 横井 咲桜(11-0 /11-5/11-6)
マレッツに試練を与えてきた勝利の女神がようやく微笑んでくれた。いや、マレッツを想う皆が微笑ませたのかもしれない―― レギュラーシーズン終盤に失速したマレッツが春の足音とともに息を吹き返し、初のファイナル進出を決めた。
“必ず勝てる”ということはこの世にはない。アドバンテージがあるからこそ難しい戦いになったように思う。「1ゲームアドバンテージがあっても、相手に波に乗られたらわからない」27日の試合後、三原監督はこんなことを話していた。アドバンテージが吉となるのか、凶となるのか―。そんな不安が第1マッチに的中してしまう。「ちょっとダブルスは受け身になってしまったかな。やはり実績のある佐藤選手、橋本選手ペアが精神的にも強くて上をいきましたね」と三原監督。今シーズンのマレッツはダブルスを取って勝つということが多かっただけに重い空気が漂った。そんな空気を一変させ、会場をもマレッツの味方になる流れを作ったのは小塩選手だ。大一番でより深く返球し、ある意味“攻め”のカットを繰り出し、一皮も二皮も剥けたプレーでわたしたちを魅了した。絶対に落とせない第3マッチは芝田選手だ。ここまで「自分が勝たないと」と緊張していた姿が今日もある。2ゲーム目(※1ゲームはアドバンテージ)を取られた後、いつも温和な吉田コーチから叱咤激励が飛んだ。「何をやっているの?やりたいこと何もできてないじゃない!」そんな内容だったそうだ。それほど吉田コーチも芝田選手に勝ってほしい、ここを乗り越えてほしい、という愛があったのだろう。また指揮官もこんな言葉をかけた「会場の人たち全員が味方だ」と。そこから息を吹き返した芝田選手は気持ちでこのマッチを取る。「正直個人的には満足していなくて…。第3マッチ後に三原監督から声をかけてもらったのですが、吉田コーチへ感謝しないといけないぞと言われました。今日の試合はお二人のお陰で勝てたと思っています」と芝田選手は話した。ファイナルに大手をかけ迎えた第4マッチは大藤選手だ。よほどダブルスの敗戦が悔しかったのだろう。闘志がみなぎり、背後に炎が見えるようだった。「最初のダブルスがとれなくてめっちゃ悔しくて、シングルスは絶対とるという強い気持ちで臨みました。相手を意識することなく、やってきた成果をだすことに集中したのがよかったんだと思います」と大藤選手。ストレートで横井選手を退け、マレッツが逆転勝利を収めた。勝利にも少し浮かない表情をしていたのはフォン選手だ。ダブルスをとれなかったことで責任を感じていたように思える。何度もマレッツのピンチを救ってきたのはキャプテンのフォン選手だ。今日くらい、後輩たちに甘えてもよいではないか。きっとファイナルでは最高のパフォーマンスをキャプテンは魅せてくれるだろう。
いよいよ明後日、2022年3月4日は夢にみたプレーオフファイナルだ。4シーズン目でようやく掴んだファイナルへの切符。この勢いと熱い応援を力に変え、チーム一丸となって王者に挑む。ファイナルの舞台で大いに暴れてきてほしい。
小塩選手の勝利直後、風向きが変わったように感じました。会場の空気が味方になってくれたような気がして、それを残したく、シャッターを切りました。1枚では収めきれず2枚のベストショットです。
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