京都カグヤライズの2022-2023シーズンの最後の試合はトップおとめピンポンズ名古屋戦。
TOP名古屋にとってはファイナル進出がかかっており、絶対に負けられない戦いだ。カグヤライズもTOP名古屋に一泡吹かせて、有終の美を飾りたいところ。
それにしても会場の豊田合成エントリオがとにかくかっこいい。座席がマットな黒で統一され、フロアが引き立つ。他種目のプロリーグも見たくなる体育館だ。
試合前の練習では、安藤対策として松島の相手を張コーチが務める。張コーチは小塩対策として成本相手にはカットを送る。松島が練習の順番を待っている間にピョンピョン跳ねているのは調子を落とさないためか、試合に出る興奮からか。
公式練習後もフロアの端にある台で各々が最後の調整を行う。ウェイは回転の強いドライブに対するカウンター、松島はサーブからの3球目攻撃、成本はサーブ練習。選手は最終戦の気負いも感傷も感じられず、最後まで自分のやるべきことに集中している。その様子を見ていると「頑張って!」以外の言葉が見つからない。
ェイ・マーペアは鈴木・南波ペアに2勝0敗だ。背水の陣で臨むTOP名古屋ペアに3連勝なるか。
第1ゲーム、今日のTOP名古屋ペアはミスがなく、二人とも積極的に攻撃してくる。3-1リードから5連続ポイントを食らい、1点返すもまた5連続ポイント。4-11であっという間に第1ゲームを失う。カグヤライズペアはマーの動きに堅さが見える。
第2ゲーム、マーのループドライブを南波がバックでカウンターで返し2-3となったところでカグヤライズは早めのタイムアウト。タイムアウト明け、マーの攻撃がしっかり入り始め、徐々にペースをつかみ9-6までリードする。しかし、ここから南波と鈴木が思いきった攻撃とウェイとマーを重ねるコース取りで9オールに追いつく。苦しい場面だったが、マーが4球目でフォアサイドに厳しく来たツッツキによく動いてドライブを決める。次をウェイの切ったツッツキに鈴木のバックドライブがミスとなり、11-9で第2ゲームを取り返す。
6オールから始まるファイナルゲーム、一進一退の展開となり、10-9と先にマッチポイントを握るが、ウェイの3球目バックドライブに力が入り大きくオーバーミスして10オール。次の一本はマーの球がネットインで入り、またしても11-10でマッチポイント。しかし、ここでマーにフォアサイドからドライブを打たせてクロスに来た球を鈴木が見事なカウンターを決め追いつかれる。11オールとなりTOP名古屋がタイムアウト。タイムアウト明け、マーのレシーブが浮くもウェイが上手く鈴木のドライブをブロック。しかし南波が苦しい体勢ながらもフォアドライブをねじ込み、マーのバックブロックがアウト。11-12となり、次のラリーは運悪く南波の球がネットインとなり、マーがどうにか拾うもTOP名古屋ペアに決め切られて11-13で第3ゲームを失い敗戦となった。
プレッシャーのかかる試合でラケットを振りきり、マーのフォアを突く徹底した作戦を遂行したTOP名古屋ペアは見事だった。
ウェイ・マーペアは今日は苦しい展開の中、最後までよく戦った。シーズン後半戦、徐々にペアリングが良くなっていく二人を見るのが楽しみだった。ありがとう!!
松島の今シーズン4試合目の相手は安藤みなみ。今シーズン既に13勝を挙げている安藤にどこまで食らいつけるか。頑張れ、松島!!
第1ゲーム、安藤のスマッシュミスで松島は先制点を奪うが、選手としてもチームとしても負けられない安藤は声を出して戦い、1-3とすぐに逆転される。しかし、ここから松島が4連続ポイント。相手の球の勢いを利用することに長けた安藤だが、小学生の松島の球への対応が少し難しいか。安藤は大事に入れに行っている印象だ。8-5とリードして、チャンスかと思ったが、ここからストレートのボールを上手く使われ、クロスにもサイドを切る厳しいコースを突かれ、安藤の5連続ポイント。一気に8-10とゲームポイントを握られる。しかし、ここから安藤のフォア強打が2本連続ミスとなり、10オールに追いつくと、最後は松島の連続フォアドライブに対する安藤のバックハンドがミスとなり、なんと11-10で逆転!!第1ゲームを松島が取る。安藤の足が徐々に止まっているか。
第2ゲーム、松島が序盤からのびのびしたプレーを見せる。第1ゲームを取って、気持ちも落ち着き、特にバックハンドは大人顔負けのスピードボールを放ち、広角に安藤を振っていく。2オールからは終始リードしていた松島だが、9-8まで追いつかれたところでカグヤライズがタイムアウト。タイムアウト明け、1点返されて9オールとされるも、次の安藤のサーブがフォアクロスに厳しく来ることを読んだ松島が逆にクロスに厳しいバックフリックを放ちエースを取り10-9。次は安藤の3球目強打がミスとなり松島がゲームカウント2-0のリード!!小学生を温かく見つめていたTOP名古屋ファンも、これは一大事と静まり返る!!
第3ゲーム、4オールまでは競るも、松島にミスが増え始め、逆に安藤は徐々に松島の球に対応して5-11で第3ゲームを取られる。
第4ゲーム、松島の球では相手の球威を利用できないため、安藤は自分から強めに打つ球を増やし、フォアもフラットに打つ強打よりもドライブも多く入れていく。あっという間に4-11で第4ゲームを奪われ、勝負はファイナルゲームへ。
6オールから始まるファイナルゲーム、安藤のサーブに対して松島は鋭いフォアフリックを見せるが、バックで厳しくクロスに返され、先制点を奪われる。松島はファイナルゲームもよくラケットを振り切ったが、落ち着きを取り戻した安藤には効かず、またアンラッキーなエッジでのポイントもあり、5連続失点で6-11で敗戦となった。安藤は安堵の笑顔。会場からは大きな拍手。この拍手は善戦した松島にも送られていた。松島、よく頑張った!!
前回の対戦は成本の活躍でカグヤライズが初勝利を挙げた12月17日。その時は成本が3-1で勝っている。TOP名古屋のファイナルに対する執念に押されているカグヤライズを、成本は救うことはできるか!
第1ゲーム、小塩は回り込みを警戒してか成本のフォアにボールを集めるが、それでも成本の攻撃が良く決まり、あっという間に11-5で第1ゲームを奪う。
第2ゲーム、徐々に小塩のカットが安定し始め、大きな変化をつけてくる。成本に焦りもあったか、珍しく打ち急いで攻撃ミスが増える。5-4から小塩に5連続ポイントを奪われ、そのまま7-11で第2ゲームを取られる。
第3ゲームも流れが変わらず、3-7とリードされるが、ここから6-7まで追い上げるとTOP名古屋がタイムアウト。従来の粘り強さが戻った成本はタイムアウト明けも点を重ね、8-7とリードしたが、今日の小塩は一味違う。長いラリー戦になっても最後まで集中力高くカットを返していく。9-10で小塩の回転の強いカットに成本のフォアストレートドライブがネットを越えず9-11で第3ゲームを失う。
第4ゲーム、序盤で4-0とリードするも、攻撃ミスとアンラッキーなエッジボールで4オールに追いつかれる。ここで後がないカグヤライズがタイムアウト。タイムアウト明け、成本がサービスエースを奪ったかに見えたが、審判の判定はレット。これは痛い。カットにさらに変化をつけて畳みかけてくる小塩に5-7とリードされ苦しい状況の中、必死の攻撃で7オールに追いつくも、最後は成本にミスが出てしまい4連続失点で7-11で敗戦。これでカグヤライズの負けが決まった。
開幕戦からのチームの連敗を止め、名勝負を次々に生み出した成本。今シーズン最後の試合に勝ってほしかったが残念。ユエンとともにチームのポイントゲッターとしてただ一人シーズンの最初から最後まで走り切った成本に感謝。ありがとう!!
両面裏ソフトを使う日本代表クラスを根こそぎ破っているユエン。今日はチェンを倒すことができるか。先ほどの成本と同じく、12月17日の試合でチェンと対戦しており、その時はストレート負けを喫している。
第1ゲーム、高次元のスピードラリーが展開される。ユエンはチャンスになるとチェンのフォアを厳しく攻めて得点を取る。7-5とリードしていたが、ここからチェンが緩急も用い、まさかの6連続ポイントでゲームポイントを握られると8-11で第1ゲームを取られる。
第2ゲーム、序盤からチェンの高速バックハンドが火を噴き、さすがのユエンも止められない。しかし、ユエンはいつものポーカーフェイスで食い下がり5-7まで行くと、ここから第1ゲームのお返しをお見舞いする。序盤と違いチェンのフォア側を中心に狙い、一気に6連続ポイント。11-7で第2ゲームを取り返す。
第3ゲーム、チェンは回り込みも混ぜて攻めてくるが、ユエンが第2ゲームの勢いそのままにチェンを上回る。5-4の場面ではチェンのロングサーブが読めたのか珍しい回り込みドライブを炸裂させレシーブエースを奪う。ここから緩いドライブでチェンのミスを誘い8-4とリード。その後もチェンのフォアを上手く突き、そのまま11-6で第3ゲームも奪う。
第4ゲーム、ラブオールからユエンがチェンを左右に振り回して得点。次をサービスエースで2-0とリードしてTOP名古屋がタイムアウト。タイムアウト明け、互いのサーブで2点ずつ取り合う展開が続き6オール。チェンはユエンのミドルを狙い長めのサーブを多く使ってくる。6オールからユエンがチェンのフォアサイドをノータッチで抜いて吠える。しかし次をチェンに取られ7オール。ここでチェンは再度ユエンのミドルに長いサーブ。体勢を崩されてラリーで負けると、カグヤライズがタイムアウト。タイムアウト明け、チェンはミドルに短めにサーブを出し、ユエンはチキータで対応に行くも力が入りミス。このまま8-11で第4ゲームを失い、勝負はファイナルゲームへ。
6オールから始まるファイナルゲーム、チェンはミドルへのロングサーブでユエンにフォアで打たせて、空いたフォアサイドを突き得点。次はバックへのロングサーブでユエンのバックドライブレシーブがミスとなり6-8。ユエンはここでフォア側から巻き込みサーブを出し、チェンのバック側を緩めの球で攻めすぐさま8オールに追いつく。チェンのサーブからは1点ずつ取り合い9オール。ここでユエンはまたもフォアサイドから巻き込みサーブを出し、バックハンドでチェンのバックサイドを切る厳しい攻めを見せ、チェンの返球がミドルに甘く返ってきたのをフォアサイドにノータッチで抜き去り10-9。ゲームポイントではチェンがレシーブでミドルに短めのツッツキを送ったが、ユエンが回り込みでチェンのバックにループドライブを打ち、チェンのブロックがオーバーミス。チェンは思わず天を仰ぐ。ユエンはいつものポーカーフェイス!!ベンチに戻りユエンにも笑顔が見えた。
ユエンはシーズン途中からの参加となったが、見事シングルスはカグヤライズでシングルス最多勝(9勝)。エースとしてチームを牽引した。いつもポーカーフェイスでクールなユエンだが、やはり実力は本物。ユエン強すぎる!!
最終戦は敗戦となったが、カグヤライズは半年をかけて20試合を戦い抜いた。最終成績は5勝15敗。最下位に沈んだものの、開幕からの8連敗を考えると、よくぞここまで立て直したと言いたい。連敗中は参戦が早すぎたのではないかという声もあったが、選手、コーチ、監督、スタッフが踏ん張った。その頑張りに拍手を送りたい。そして、応援してくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
カグヤライズは今後も京都の卓球界を盛り上げていきます。そして来シーズンはファイナルを目指します。引き続き応援よろしくお願いします!!頑張れ、カグヤライズ!!
今は昔、日出ずる国にシロートアカデミーの翁といふ者ありけり。スウェーデンのワルドナーやパーソンといふ卓球のスーパースターに憧れけり。憧れが憧れのまま終わりけり。いとあはれ。京都の池袋社長にいざなわれ、球を打たずにキーボードを打ち始めけり。白星となるや、黒星となるや、カグヤライズの星取物語、始まり始まり。
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