京都での最後のホームゲームを終えて、中一日で鹿児島での試合となった京都カグヤライズ。今日の相手は前節12月27日の試合で勝利している日本生命レッドエルフだ。前節は伊藤美誠の出場はなかったが、今節のレッドエルフは伊藤美誠と早田ひなの2枚看板を揃えている。となると思い出してしまうのは9月23日の試合。この日はレッドエルフになんと1ゲームも取れずに完敗。果たしてカグヤライズの運命はいかに！！

第1ゲーム、マーの眼を見ながらサーブのサインを出すウェイ。ラブオールでマーのサーブはまさかのスピードロングサーブ。笹尾が強くドライブに行くがオーバーミス。笹尾に強いバックフリックをさせないための作戦だ。次のショートサーブは笹尾に迷いが出て、フリックの入りが遅れオーバーミス。カグヤライズペアが素晴らしい立ち上がりを見せる。浮足立つ日生ペアを尻目に5-0と一気に点を離す。この後8-6までリードを詰められるも、マーが麻生のサーブをバックに突っつくと見せかけて、フォアに押し込む。逆を突かれた笹尾は当てるのが精一杯で球がネットを越えず。マーの技ありレシーブだ。この後ラッキーなネットインもあり、11-7で第1ゲームを取る。

第2ゲーム、麻生が第1ゲームのお返しとロングサーブを出すもウェイが素早く反応してマーも追撃して先制点。しかしレッドエルフも凄まじい気迫で次々と打ち合いを制していく。一気に5連続ポイントを奪われ、このまま4-11で第2ゲームを失う。カグヤライズペアはレシーブもうまくいかなかった。

6オールから始まる第3ゲーム、ウェイのストレートへのバックドライブを麻生がカウンターするがマーが反応してフォアでどうにか返し、次の笹尾の攻撃もウェイが中陣からバックで気合いで押し込む。麻生が繋いだところをマーがとどめのフォアドライブ。いきなり素晴らしいラリーで先制点。しかしレッドエルフペアも負けじと強ドライブの連打で8-8までもつれる。ここからウェイの叩くようなフォアブロックとマーの3球目フォアドライブが決まり、10-8とマッチポイントを握ったところでレッドエルフがタイムアウト。ユエンも二人に必死にアドバイスを送る。

タイムアウト明け、麻生のサーブをマーが笹尾のフォアにツッツキ。これを笹尾が持ち上げられず、11-8で第3ゲームを取り見事勝利。

試合をする度にペアリングの良くなっていくマーとウェイが今日もやった！！

松島の今日の相手は全日本選手権でシングルス決勝に進んだこともある日本のトップ選手森さくらだ。

第1ゲーム、1点目は森の得点。森は最近の試合では勝った時だけ声を出すようにしていたが、今日は1点目から声を出していく。小学生相手でも様子を見ようとはせず、プロ選手同士の試合として負けられない気持ちを見せられる森は素晴らしい。もちろん松島も負けじと声を出して食らいつくが、やはり実力差は明白で5-11でこのゲームを落とす。

弱気な顔を見せる松島にアドバイスを送る張コーチ。最後は松島の両肩を掴んで、頑張ってと送り出す。

第2ゲーム、ラブオールから森のフォアドライブ連打をバックで何度もブロックして森がミス。素晴らしいラリーにベンチのユエンとマーも思わず立って拍手。一時は3-1とリードするも森はそうはさせじとすぐに3オールに追いつく。ここで松島は巻き込みサーブからの回り込みフォアドライブで得点。次も左右に振られながらも最後はフォアハンドで得点していく。小学3年生にして自分の攻撃での連続得点は見事！！しかし森はここでも弱気を見せず一気に8連続得点で5-11で第2ゲームも取られる。

第3ゲーム、森は攻撃に守備にミスが減る。1-4とリードされたところでカグヤライズがタイムアウト。タイムアウト明けも流れは変わらず、1-7まで離される。ここで松島が2本連続でサービスエースを取り、3-8の場面ではバックブロックで森のフォアを抜く見せ場も作ったが、4-11で第3ゲームも取られストレート負けとなった。小学生相手にも気持ちのこもったプレーを見せてくれた森に感謝！！

11月27日の試合で伊藤と対戦した際にはゲームオールで惜しくも敗れた成本。今日こそ勝利なるか。
第1ゲーム、成本は軽快な動きで攻め続け、伊藤はスマッシュにミスが出る。1-2からの7連続ポイントもあり、このゲームは11-4で成本が取る。

第2ゲーム、伊藤の攻めに厳しさが増し、1-0からお返しの7連続ポイントを食らう。ここから6-8まで迫るも伊藤に7-11で逃げ切られる。

第3ゲーム、ラブオールからいきなり伊藤の5連続ポイント。伊藤に前後左右に揺さぶられ苦しい展開。2-6から王子サーブを使い、伊藤のフォアミドルを突きサービスエースで3-6。次も王子サーブから伊藤の逆を突く3球目フォアストレートのドライブでノータッチを奪い4-6。チャンスかと思われたが、伊藤にサービスエースを食らい流れを止められると、5-11で第3ゲームも失う。

第4ゲーム、ラブオールから伊藤の巻き込みサーブを成本がバックで低く返すも、3球目スマッシュを食らう。これはお見事！！成本の変化の激しいサーブも伊藤が上手く回転を利用して返球し、成本にチャンスを与えない。2-5とリードされたところでカグヤライズがタイムアウト。タイムアウト明け、伊藤の攻撃がさらに厳しくなり、台上からカウンターまで何でも入るような状態に。4-11で第4ゲームも取られ1-3で敗戦となった。悔しいが、やはり伊藤は強かった。

第1ゲーム、ユエンはバックサーブから試合を始める。威力のある3球目攻撃を打つが、早田がバックハンドでカウンター気味に返し先制点。一本目から大きな声を出す早田。12月27日の敗戦の借りを返しに来ている。互いにサーブから3球目での得点が続く。9オールまでもつれ、早田のサーブが台からわずかに出たのをユエンが見逃さず先手を取ると、早田の堅いバックブロックにショートスイングのフォアドライブで対応し、最後はミドルに決めて10-9。次も早田のサーブが台から出てユエンが先に仕掛ける。早田が回り込んでカウンターシュートドライブを打つが、ユエンがコースを読んでクロスにブロックし、早田がミス。見事11-9で第1ゲームを取る。

第2ゲームも一進一退の展開。早田の攻撃を上手くかわすユエン。9-7から9オールに追いつかれ、このゲームを是が非でも取りたいレッドエルフがタイムアウト。タイムアウト明け、ユエンのサーブは早田へのミドルへのスピードロングサーブ。完全に意表を突かれた早田のフォアハンドが大きくオーバーで10-9。次のサーブは順横回転をフォア前に。一本前のロングサーブで迷いが生じていた早田が大事にツッツキで入れるとユエンが回り込んで一発で決めて、2ゲーム連取。ユエンの見事な作戦が光る！

第3ゲーム、序盤で3-1とリードするも、早田がユエンの攻撃とカウンターを返す場面が増え、根負けして6-11で落とす。

第4ゲーム、5-3とリードするも早田が一本調子ではなく、徐々にバックハンドで緩急も混ぜてきて、接戦が続く。6-5から3連続ポイントを奪われ6-8となったところでカグヤライズがタイムアウト。珍しいタイミングでのタイムアウトだ。ファイナルゲームまで行くと不利と読んだか。タイムアウト明け、ユエンはまたしても早田のミドルにロングサーブを出すが早田がバックドライブで一発で持っていく。最後はユエンの3球目フォアドライブに対しカウンターのフォアドライブでノータッチで抜かれ、ゲームカウント2-2に追いつかれた。

6オールから始まるファイナルゲーム、ユエンがラッキーなネットインもあり9-7と抜け出すと、ストップ対ストップで早田の球が甘くなったのを見逃さず、フォアドライブで得点してマッチポイント。2点は返されるも最後は冷静に早田のサーブをストップして、早田が遅れてツッツキに行ったのに対し、回り込みフォアドライブを決めて11-9。またしても早田を倒した。最終ゲームはストップを上手く生かして早田をかわした。ユエン、すごいよ！！

ユエンはベンチに帰っても笑顔無し！既に気持ちはビクトリーマッチへ。

第3マッチを見る限り、ゲーム間でも伊藤の調子に波があるように見えたが、ビクトリーマッチはいかに！！

ユエンのサーブから始まったが、伊藤がいきなりレシーブエースを2本決める。更にサービスエースを決められて3-0となったところでカグヤライズがたまらずタイムアウト。タイムアウト明け、伊藤がサービスミスで1点返すも、伊藤の勢いが止まらず1-7まで離される。ユエンのフォア前サーブから3球目バックドライブが決まり2-7となると、ここからなぜか伊藤がスマッシュミスを連発。

6-7まで追いつくと伊藤がタイムアウト。タイムアウト明けも伊藤に攻撃ミスが続き、遂に8-7。次の伊藤のロングサーブに対しユエンがバックドライブを振り抜くもアウトでユエンの連続ポイントは7で止まり8オール。ユエンは伊藤のバックにロングサーブを出し、伊藤がフォアで狙いに行くがネットミス。次のロングラリーもユエンが伊藤を広角に振り、最後はフォアクロスにフォアドライブを抜いて遂にマッチポイント。1点返されるが、最後も伊藤がスマッシュをミス。11-9でユエンが伊藤を倒した！！しかしユエンも不思議な勝利に素直に笑えない感じだ。筆者もカグヤライズの勝利に喜んでいるのだが、狐につままれた感じです。

勝利者インタビューではようやくユエンの表情にも笑顔が戻った。それにしても伊藤と早田の2枚看板を揃えたレッドエルフに、松島を起用したカグヤライズが勝利するなんて誰が想像したでしょうか。ユエンはもちろん、マーとウェイのダブルスの勝利が大きかった。

なんとカグヤライズは絶対王者のレッドエルフに通算成績2勝2敗のタイ！！連敗を抜けた後のカグヤライズのチームとしての充実ぶりを示す結果だ。
これで19試合を消化し、2月25日のトップおとめピンポンズ名古屋戦を残すのみだ。ファイナル進出をかける名古屋相手に有終の美を飾れるか。頑張れ、カグヤライズ！！

今は昔、日出ずる国にシロートアカデミーの翁といふ者ありけり。スウェーデンのワルドナーやパーソンといふ卓球のスーパースターに憧れけり。憧れが憧れのまま終わりけり。いとあはれ。京都の池袋社長にいざなわれ、球を打たずにキーボードを打ち始めけり。白星となるや、黒星となるや、カグヤライズの星取物語、始まり始まり。