開幕以来8連敗と苦しんだ京都カグヤライズだったが、12月は4勝3敗と勝ち越し。全日本選手権があるために、1月は1試合のみだ。12月の勢いそのまま、九州アスティーダに勝利したい。戦いの地は杜の都仙台。千年の都からカグヤライズがお邪魔します。
ウェイ・マーのペアを起用するのは12月4日のトップおとめピンポンズ名古屋戦以来。その時は鈴木・南波ペアに勝利している。久しぶりの起用にウェイ・マーペアが応えられるか。
第1ゲーム、ウェイの回転量の強い3球目バックドライブで塩見のブロックをオーバーさせるスタート。久しぶりの出場だが二人に緊張は見られない。異質ラバーを使うアスティーダペアのブロックに惑わされず、しっかりとドライブを振り抜いていく。
特にマーが今シーズンで一番の出来で、次々とドライブで得点を決めていく。これまでは緊張を振り払うように声を出していたマーだが、今日は自然と自分の好プレーに声が出る。いいぞ、マー!!前半で6-2とリードし、このリードを保ったまま11-7で第1ゲームを取る。
第2ゲーム、カグヤライズペアは切ったツッツキを出澤と塩見に持ち上げさせて、ドライブで狙っていく作戦だったが、アスティーダペアはわずかでもレシーブが浮けば見逃さない。カグヤライズペアに攻撃のミスも出て、2-6と離される。しかしカグヤライズは作戦を変えず、マーのレシーブから2得点。更にウェイの3球目回り込みドライブが決まり5-6となると、アスティーダがタイムアウト。
タイムアウト明け、マーが切ったサーブを塩見がバックでレシーブに行くも、ネットミスで6オール。しかしアスティーダペアも負けじと出澤が3球目攻撃を決め6-8。このまま8-10とゲームポイントを握られるが、ウェイがフォアに厳しくつつかれたのをストレートにドライブを打ち得点して9-10。次をマーの鋭いドライブがノータッチで抜け10オールに追いつく。
今日のマーは本当に素晴らしい。一本勝負の場面で塩見はウェイのレシーブを浮かせようと横回転を入れたサーブを出す。これをウェイがツッツキしそうな形から、意表を突く切ったストップ。回り込みを始めてしまった出澤が慌てて手を出すが、回転に弾かれオーバーミス。ウェイの頭脳的なレシーブでカグヤライズが大事なダブルスで勝利した。勝利の瞬間、ウェイは満面の笑みでガッツポーズ。見ているこちらも嬉しくなるくらいの笑顔だった。
ユエンがカグヤライズで初めて試合に出たのが10月8日だが、その際に牛嶋と対戦し3-1で勝利している。ダブルスに続いて勝利をあげ、優位に立ちたいところだ。
第1ゲーム、ユエンは連続でドライブを打つようなこともなく、ツッツキを多く使い様子を見ているようだ。しかし、牛嶋の変化が予想以上なのか、ミスを連発。3-4から6連続ポイントを奪われ、結局5-11でこのゲームを落とす。
第2ゲーム、ユエンは攻める割合を増やしていく。バックサイドの球も積極的にフォアで回り込む。3-1とリードするが、ユエンはやはりイージーミスも多く、すぐに追いつかれてしまう。9オールまでもつれたが、ここで牛嶋の反撃がユエンのフォアサイドに厳しく入り、ブロックミス。9-10では牛嶋の切れたバックカットをユエンが持ち上げきれず、9-11となり第2ゲームも落とす。
第3ゲーム、牛嶋ペースが変わらず、1-3となったところでカグヤライズがタイムアウト。
タイムアウト明け、ユエンはバックサーブを出し、牛嶋のカットをひたすらツッツくが、牛嶋のカットの回転幅に惑わされツッツキミスをしてしまう。ユエンは打開策を見いだせず、このまま5-11で第3ゲームも失い、ストレート負けとなった。
直近で平野美宇、早田ひなを倒したユエンだが、カットマンに苦手意識があるのか、橋本帆乃香戦に続きカットマンに敗れてしまった。
キムは11月27日以来の出場だ。九州アスティーダのエース加藤にどこまで迫れるか。
第1ゲーム、いきなりバック対バックの高速ラリーで始まるが、安定感と回転量で加藤がキムを上回る。キムが攻撃をしても加藤のブロックは堅い。打ち手が見つからないまま5-11で第1ゲームを失う。
第2ゲームも一方的な加藤ペース。加藤のフォアでフラットに打つ強打も次々と決められてしまい、2-11で第2ゲームも取られる。
第3ゲーム、1-4とリードされたところでカグヤライズがタイムアウト。タイムアウト明けも加藤の猛攻が止まらず2-7と離されるが、キムは単調な打ち合いを避け、打点を落とした攻撃、縦回転系のサーブでのエースなど、気付けば8オールに追いつく。しかし最後は加藤に逃げ切られて9-11でストレート負けとなった。
折角のダブルスの勝利が吹っ飛ぶ、2戦連続ストレート負けを喫したカグヤライズ。この嫌な雰囲気を振り払えるのは成本しかいない。頼んだぞ成本!!相手は成本と同じく、実業団選手としても活躍する野村だ。
第1ゲーム、成本は巻き込みサーブと巻き込みサーブの形からの順横回転系サーブで野村を攻めていく。成本は3オールから5連続得点で野村を離し、11-6で第1ゲームを取る。なお、5-3の場面で、成本の回り込みのストレートのスマッシュが台をかすめ、審判の判定はサイドでアウトだったが、野村がエッジで入ったと認めるフェアプレー。野村さん、素敵です。
第2ゲーム、野村がラブオールからミドルへのロングサーブで成本にバックハンドで打たせて3球目を狙いに行く。成本は王子サーブも使うが、野村のレシーブも冴え一気に1-7とリードされる。しかし成本は簡単にゲームを与えない。攻撃と守備が噛みあい、7-8まで追いつくが、最後はサービスミスもあり8-11で逃げられてしまった。
第3ゲーム、2オールから王子サーブを野村のフォアに2本だし、一本目は野村がバックでレシーブしてきたのに対し、バックで野村を振り回し得点。二本目は野村のツッツキを浮かせてスマッシュで一発で決め、連続得点。この後も王子サーブとしゃがみ込みサーブから次々と得点し、11-6で第3ゲームを取る。
第4ゲーム、野村が切った巻き込みサーブを成本のバックに長く出し、持ち上げさせてからの展開で得点を重ねる。成本も3-6から同じ手は食らわないとフォアで回り込んでドライブでレシーブして野村を手詰まりにしていく。6-8から王子サーブを再度2本出し、第3ゲームと同じような2連続得点で8オールに。ここでアスティーダがタイムアウト。タイムアウト明け、野村は巻き込みサーブを2本連続でバック前に出す。一本目は成本が目測を誤り、回り込んで打とうとしたが、慌ててストップ。野村がツッツいてきたのを焦ってバックで攻撃してオーバーミスで失点。二本目はバックでストレートに押し込むようなフリックでエースを奪い、再び追いつく。9オールから成本は王子サーブを出し、エースで10-9。次の王子サーブはフォア前に出したが、これを野村がストレートに速いフリックで攻め、成本が打ち切れずミス。10オールの一本勝負、野村はバックに巻き込みのロングサーブ。成本は素早く回り込んだが、サーブが上回転系で成本のレシーブがオーバーミス。惜しくも第4ゲームを落とす。
6オールから始まるファイナルゲーム、成本は野村が予想していなかった横下の順横回転サーブで連続エース。8-6として野村にプレッシャーをかける。この後、レシーブエースで9-6とすると、次のプレーは成本が中陣に下げられるも、野村のスマッシュをバックハンドで強くミートして返し、野村のフォアサイドをノータッチで抜くスーパープレー。一気にマッチポイントを握り、最後は野村がフォアドライブをミス。成本は1点も与えずにファイナルゲームを取り、勝利した。嫌な流れの中、高い集中力で勝利!!強いぞ、成本!!
成本は第4マッチで勝った勢いそのまま、ビクトリーマッチに入る。相手は加藤。9月11日の開幕戦、10月8日の福岡での試合と成本は加藤に勝てていない。今日こそリベンジしたい。成本は試合前には和田コーチだけでなく、張コーチともよく話し合う。
成本は前半フォアサイドからのしゃがみ込みサーブと巻き込みサーブで加藤のバック側にサーブを集める。3オールから加藤のサーブ時に2本とって5-3とリードすると、ここからはバックサイドからサーブを出す。しかし、加藤の守備力、ラリー力は高く、攻めても変化のある球を出しても、山なりの回転のかかった球で何本でも返ってくる。6オールに追いつかれ王子サーブを出すが、加藤のループドライブでバックを潰されて失点して6-7。ここでカグヤライズがタイムアウト。
タイムアウト明け、成本は前半で出したしゃがみ込みサーブを加藤のバックサイドに長く出すが、加藤が優しく成本のバックに持ち上げ失点。もう1点取られ6-9とリードを広げられた後、成本が速攻を決めるなど2連続得点で8-9と追い上げたところで、アスティーダがタイムアウト。
タイムアウト明け、成本はバックへのしゃがみ込みサーブからミドルへのフォアドライブと、バックハンドのストレートの攻撃で加藤を追い詰めたが、加藤がどうにか返した球が大きく変化して成本がミス。アンラッキーな失点にも見えたが、ギリギリで変化をつけた加藤を褒めるべきか。8-10で加藤はまたしても成本のバックを連続してフォアドライブで攻めて、成本のバックブロックがオーバーして8-11で敗戦。成本、惜しいところまで行ったが、最後まで加藤の山なりの球を攻略できず、加藤に対して3連敗となってしまった。
ビクトリーマッチまでもつれた激戦だったが、これでカグヤライズの敗戦が決まった。
ダブルスが勝利しただけに悔しい敗戦。ユエンに牛嶋を当ててきたアスティーダのオーダーにしてやられた。
次戦は2月4日に貝塚市で行われる日本ペイントマレッツ戦。カグヤライズが唯一勝利をあげていない相手だ。前回の試合ではビクトリーマッチまでもつれている。今度こそ勝利を上げたい。頑張れ、カグヤライズ!!
今は昔、日出ずる国にシロートアカデミーの翁といふ者ありけり。スウェーデンのワルドナーやパーソンといふ卓球のスーパースターに憧れけり。憧れが憧れのまま終わりけり。いとあはれ。京都の池袋社長にいざなわれ、球を打たずにキーボードを打ち始めけり。白星となるや、黒星となるや、カグヤライズの星取物語、始まり始まり。
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