四国初上陸の京都カグヤライズ。9戦目の相手は前節と同じくトップおとめピンポンズ名古屋。前節、8戦目にして初めてダブルスで勝利をもぎ取ったが、シングルスが繋がらず惜しくも敗戦となった。TOP名古屋にリベンジを果たし、念願の初白星を手にしたい。ドゥ ホイカンが第4節ぶり、シャン シャオナが第2節ぶりの参戦だ。ドゥは右腕にサポーターをつけており少し心配だ。シャンは笑顔で入場。今日はドゥの活躍がカギを握るか。
ドゥとシャンが初ペアを組んだ。第1ゲーム、ドゥの丁寧なストップレシーブからシャンの回り込み攻撃で先制。次をドゥがチキータでレシーブエース。一気に6連続ポイント。ドゥの回転の強い球とシャンの打点が早く厳しいコースに送る球でどんどん点を重ねていく。最後はシャンのフリックレシーブでエースを取り11-2で第1ゲームを取る。
シャンの投げ上げサーブで始まった第2ゲーム、相手のミスにも助けられ5-2までリードを広げるとTOP名古屋がタイムアウト。タイムアウト明け、鈴木の3球目バックドライブに対しドゥが見事なカウンタードライブを決める。最後はドゥのバックのループドライブを南波がスマッシュをミスして、11-5で勝利。今日もカグヤライズがダブルスを取った。
初ペアとは思えぬ、素晴らしいコンビネーションだった。強いぞ、カグヤライズ!
前節、世界ランク10位のカットマン ハンインと大激戦を演じた成本。今日の相手は17歳で将来を嘱望されているカットマンの小塩。池袋監督とは前シーズンで同じチーム日本ペイントマレッツに所属していた。
第1ゲーム、成本のミドルへのロングサーブを小塩がフォアドライブで打ち抜き、レシーブエースを取られる。しかし成本は動じることなく、落ち着いて小塩を攻略。今日もフォアストップが短く止まる。小塩のバックを中心に攻め7-3までリードを広げる。バックでのストップ、ミドルへのフォアドライブもきれいに決まり11-4で第1ゲームを取る。小塩にカットをさせたらほとんど点を取らせていない。今日も素晴らしいカット攻略を見せている。
第2ゲーム、ミドルを中心に攻めていく成本。小塩は成本のバックを中心に球を送る。第1ゲームよりも競るものの成本は焦らない。7-5では3球目回り込みスマッシュを決める。9-8では今日一番のロングラリーを成本がとって10-8。しかし尻上がりに小塩のカットが鋭さを増し、成本のバックハンドにミスが出る。2点取り返され10-10に追いつかれる。最後も小塩のバックカットの回転量に負けて回り込みフォアドライブを落とし、10-11で第2ゲームを落とす。ゲームカウント2-0にするチャンスだっただけに痛い逆転負けだ。
第3ゲームもやはり小塩の回転量の強いバックカットに苦しめられ、成本のバックのツッツキにミスが出る。小塩は攻撃も増やしてきて成本は我慢の時間。一時は3-6まで離される。しかし前後への揺さぶりで8-7と逆転。成本、ここが勝負と大きな声を出す。次のフォア強打がネットにかかり同点とされるも、8オールで回り込みで攻撃すると見せかけてのストップ!これを小塩が追い付けず。このまま成本が11-8で第3マッチを取る。中盤からは小塩の切れたカットに対するバックツッツキのミスもなくなり、最後まで集中力を落とさず見事な逆転。成本、やっぱりすごいよ!
第4ゲーム、成本が集中力を保ち一気に3-0とリード。名古屋はたまらずタイムアウトを取る。タイムアウト明け、成本は小塩のバックに巻き込みロングサーブでエースを奪う。次を回り込みストップで小塩を前に寄せてからフォアサイドへのフォアドライブでノータッチ。5-0までリードを広げる。このまま10-4。ここで一本ミスをして、万全を期すためにカグヤライズはタイムアウト。和田コーチのアドバイスにうなずく成本。ここから小塩が粘りを見せて2点返されるも最後は成本のレシーブがネットインで11-7で勝利。
やった、やったぞ! 成本、遂にTリーグ初勝利。今まで素晴らしい試合を見せながらも勝ち星に恵まれなかった成本が遂に勝利。ベンチも全員が笑顔、全員が拍手。こんなカグヤライズ見たことない。だって2-0でリードしたことないんですから!!
そして、この時点で最悪でもビクトリーマッチまで行くことが決まり、遂にカグヤライズが勝ち点1を取ることが決まった。だがしかし、カグヤライズが目指すのは初勝利のみ!
前節、ダブルス初勝利で沸くカグヤライズに対し見事な火消しをしたチェン。嫌な予感がいたします。ユエンよ、悪夢を振り払ってくれ!
第1ゲーム、ユエンの巻き込みサーブがわずかに台から出てレシーブドライブを決められる。次のフォア前へのサーブもナックルボールをバックに押し込まれ、またしてもエース。嫌な予感が渦巻く中、ユエンはいつも通り冷静。じりじり差を詰め5オール。しかし気合の入っているチェンの猛攻を止めるのは至難の業で、ここから6連続失点! 5-11で第1ゲームを取られる。やはりチェン強い。
第2ゲーム、序盤からチェンの猛攻が続く。ん?なんかこれ前もあったような??そうです、前節でウェイが17連続失点を食らったではないですか。今回は10連続失点で止まったので良しとしよう、なんてわけもなく。チェン、強すぎるよ! だが、ユエンも簡単には引き下がらない。7-9まで追いすがるも、ここでチェンのストップは台から出るか出ないかの絶妙な長さでユエンのフォアハンドが空を切る。チェンは大事な場面で必ず点を取ってくる。吠えるチェン。結局7-11で第2ゲームも取られる。
第3ゲーム、2-2からユエンはバックサーブを選択して流れを変えようとするも、チェンのバックドライブがストレートに決まる。バック対バックならユエンにもチャンスがあったが、チェンが先にストレートにコースを変え、ユエンの好きなようにはやらせない。4-6では、ユエンのレシーブバックドライブに対し鋭いバックドライブカウンターを決められ、カグヤライズがタイムアウト。タイムアウト明け、チェンのサーブを積極的にバックハンドでレシーブに行くもボールがネットにかかる。6-10から2点返すが、最後はバックへのロングサーブでエースを決められ8-11でストレート負けとなった。点数だけを見ると競ったものの、やはりチェンの強さが目立つ試合となった。
さあ、皆さんお気づきですよね!?もし第4マッチを取られたら、ビクトリーマッチに突入します。ビクトリーマッチ、TOP名古屋は誰が出てくるのでしょうか??チェンに決まってますよね!!1ゲーム勝負なら分からないとはいえ、カグヤライズは絶対に絶対に第4マッチで勝利を決めたい。頼んだよ、ドゥ!!
世界ランクでは圧倒的に上とはいえ、安藤は世界のトップ選手とも互角に渡り合える実力者。今シーズンは既にシングルスで8勝を上げ、勝利数でトップを走っている。前節ではユエンがゲームオールで安藤に負けているが、ドゥがリベンジを果たせるか。
第1ゲーム、ドゥはゆっくりした球で安藤のペースに持ち込ませない。序盤こそ、リードされるも5オールに追いつくと7-5と一気に逆転。途中からドゥは安藤のフォアサイドを突き始める。しかし安藤にすぐに追いつかれ、10-10まで競る。ドゥも苦しい展開ながら、吠えて自分を鼓舞する。10-10で安藤のサーブが台から出たのを見逃さず、ドゥが軽くドライブをかける。これを安藤がブロックミス。ドゥがどうにか第1ゲームを取る。
ゲーム間では、表ソフトを使うシャンもドゥにアドバイスを送る。
第2ゲーム、安藤のフラットに打つフォア強打が次々に決まる。2-5まで離されるも、ドゥがバックへのロングサーブを利かせて5オールまで追いつくと、一気に7-5まで逆転!!そのまま、なんと9連続得点で11-5で第2ゲームも取る。
遂にカグヤライズが初勝利に王手!!!
第3ゲーム、序盤は第2ゲームと同じように安藤が猛攻を見せる。フォア強打が次々に決まる。安藤は後がない中、ミスを恐れず厳しい攻めを続ける。悔しいが見事だ。2-7から6-9まで追いつくも、ここでドゥの第2ゲームで効いていたバックへのロングサーブがオーバーミス。6-11で第3ゲームを落とす。
第4ゲーム、安藤の調子が上向く中、防戦一方の苦しいドゥ。ドゥは我慢の卓球で粘るも、5-5から安藤のフォア前の上系の巻き込みサーブにレシーブミス。次に連続フォアスマッシュを決められ5-7。このまま8-11で第4ゲームも取られてしまう。安藤のフォア強打にミスが出ない。カグヤライズの初勝利に暗雲が立ち込める。
6オールから始まるファイナルゲーム、ドゥが我慢のラリーを展開し、安藤がフォアを2連続でミス。ドゥの、カグヤライズの初勝利への思いがわずかに安藤を上回る。8-6となりTOP名古屋がタイムアウト。タイムアウト明け、ドゥはフォア前サーブを選択。しっかりラリーを引いて得点し9-6。次も同じようなラリー展開だったが、安藤のフォアがエッジをかすめてアンラッキーな得点。9-7となりカグヤライズがタイムアウト。カグヤライズのベンチのアドバイスもますます熱を帯びる。タイムアウト明け、ドゥの回り込みフォアドライブがオーバー。9-8から甘くなった球を安藤が見事なフォアスマッシュ。遂に9オールと追いつかれる。次も安藤がミドルへのドライブをフォア強打で返し9-10。そして最後は不運のネットインで9-11。なんとゲームカウント2-0リードから3ゲームを逆転された。まさかまさかの敗戦。
この瞬間、夢に見たカグヤライズの初勝利が一気に遠くなる。私、泣きそうです。
ビクトリーマッチ、TOP名古屋は予想通りチェンを起用。カグヤライズは第3マッチでチェンに負けたエース ユエンではなく、成本を起用。成本は世界に通用する変化サーブを持つ。バック面の異質ラバーの変化でもチェンを崩せるか。
運命のビクトリーマッチ、Tリーグの独自ルールでデュースありの1ゲーム勝負!
まずはチェンが快速フットワークで成本のブロックを打ち抜き先制点。次をチェンがサービスエース。成本は王子サーブを見せるが、チェンがレシーブで繋いでラリー勝負。ラッキーなネットイン、レシーブエースもあり2-3とチェンに迫るも、チェンの回り込みドライブがストレートにノータッチで抜ける。2-5まで離され、カグヤライズがタイムアウト。
タイムアウト明け、成本はしゃがみ込みサーブを出すも、やはりチェンは大事に入れてラリー勝負。チェンは素早いフットワークで動き切り、フォアの連打を決める。3-7で成本が王子サーブに戻し、サービスエース。切れたサーブをチェンがネットに落とす。しかしチェンは連続得点を許さない。2点返され4-9。万事休すと思われたが、ここから成本が攻撃を次々に決め2連続得点で6-9まで追い上げると、TOP名古屋がタイムアウト。タイムアウト明け、成本はフォアサイドからのしゃがみ込みサーブでサービスエースを取り7-9。チェンのロングサーブに対するバックのレシーブが癖玉となりチェンが空振りで8-9。次のラリーで成本がチェンをバックで振り回し、遂に9オール。嘘でしょ!!!
サーブ権が成本に戻り、成本はしゃがみ込みサーブをバックに長く出し、チェンがバックドライブを落としサービスエース。10-9でも同じくバックへのロングサーブ。これをチェンがバックドライブで返すが、成本のフォアブロックがイレギュラーしたかチェンが4球目をミス。成本、魂の7連続得点!!4-9からの大逆転勝ち!!私、泣きました。
成本と抱き合うシャン。チームは笑顔笑顔。渦潮が有名な鳴門で喜びもひとしお! 主役は成本 in 鳴門!そんな韻(ダジャレとは言わないで)も踏みたくなるほど最高の一日となりました。
初の勝利者インタビューでは池袋監督がシャンとドゥの通訳を行う。みんな少し恥ずかしそうだ。成本はチームが少しずつ纏まってきたことも勝利の要因として挙げた。池袋監督も、一緒に練習してきて総合力が上がってきたことに言及した。
今夜はパーティーをしてほしいところだが、休む暇もなく明日も試合だ。星取物語はまだ始まったばかり。次の白星を拾うべく、カグヤライズは一路徳島から福岡へ向かう。
今は昔、日出ずる国にシロートアカデミーの翁といふ者ありけり。スウェーデンのワルドナーやパーソンといふ卓球のスーパースターに憧れけり。憧れが憧れのまま終わりけり。いとあはれ。京都の池袋社長にいざなわれ、球を打たずにキーボードを打ち始めけり。白星となるや、黒星となるや、カグヤライズの星取物語、始まり始まり。
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