今シーズン、関東圏での最後の試合はJR蒲田駅からほど近い日本工学院片柳アリーナで行われた。
12月からは1月の仙台を除き、西日本での試合開催となる。最後の関東での試合、相手は絶対王者レッドエルフ。忘れもしない9/23、浦和の駒場体育館で1ゲームも取れないという完敗を喫したあのレッドエルフである。ホームに戻る前に嫌なイメージは一掃したいところだ。
観客はほぼ全てレッドエルフのサポーター。選手入場時には天井照明が消され、観客に渡された赤いペンライトが光った。
カグヤライズは初登場のキム ハヨンをいきなり2点起用。
第1ゲーム、マーのレシーブエースで始まるも、レッドエルフペアはサウスポーであるマーのフォアサイドをついてノータッチを奪うなど、台を広く使って攻めてくる。高校3年生でインターハイシングルスチャンピオンの赤江もジャンに引っ張られ、思い切りのよいスイングを見せる。レッドエルフの圧力にカグヤライズペアは凡ミスが続きペースが握れない。2-7から5-7まで追いつくも、赤江にチキータのレシーブエースを決められるなど6-10とゲームポイントを握られる。ここからまた粘って9-10となるも、最後はジャンに強烈なフォアストレートドライブを決められ、9-11で第1ゲームを落とす。
第2ゲーム、1-2の場面でジャンがストップに対して流しフリックでノータッチを決め、1-3となりカグヤライズはタイムアウト。エッジもあり2本取り返して3-3。しかしマーに凡ミスが出て3-5。6-7まで追いつくも、ジャンのバック面の表ソフトラバーを使ったフリックがマのミドルを突きレシーブエース。更に7-9では赤江が思い切った逆チキータでキムにミスが出る。しかし、あきらめないカグヤライズは9-10まで追いつき、ここでレッドエルフがタイムアウト。
タイムアウト明け、キムのレシーブはフォアフリック、これがエッジをかすめるラッキーなポイントとなり10-10。次のキムのサーブをまたもジャンがバックハンドでマーのミドルにフリック。これをマーが2度も同じ手は食わないと、回り込みドライブを決め2ゲーム目を奪い返す。
6-6から始まるファイナルゲーム、2ゲーム目をかっこよく締めたマーにミスが出る。マーの台上処理とドライブのミスで6-8。次の長いラリーを取られて6-9。8-10まで粘るも、最後はジャンの詰まりながらのフォアドライブが決まり、残念な敗戦となった。マーがまだTリーグの雰囲気に慣れないか、凡ミスが多かったのに対し、レッドエルフはジャンが硬軟織り交ぜたプレーを見せ、赤江の良さも引き出した。
と、ここで皆様忘れないでください!!カグヤライズは遂にレッドエルフから1ゲーム取りました!!こうなったら次は1マッチ取ってしまいたい!!
レッドエルフからまずは1マッチ奪うべく、登場したのはカグヤライズのエース ユエン。前節で世界選手権帰りの木下アビエル神奈川長﨑を倒している。
この試合、非常に緊張感のある展開で、また選手の集中が観客に伝播したか、客席が静まり返った。両者ともに厳しい台上処理からの前陣バックハンドの打ち合い、バック対バックからの仕掛け合いが続く。一進一退の第1ゲームは9-10で森の巻き込み横上ロングサーブをユエンがレシーブミスし、森が奪う。
第2ゲーム、森が2本連続で三球目攻撃を決めて0-2。この後、ユエンのサーブミスもあり、0-5まで行ってしまう。森は高速ラリーで得点を重ね、更には緩急も織り交ぜてユエンは反撃の糸口をつかめない。6-11で第2ゲームも奪われる。森強い、その場にいた誰もが思った。
第3ゲーム、ユエンはバックの高速ラリーに付き合わず、緩いボールを主体にして対応。しかし3-5となり、たまらずタイムアウト。この後も緩いボールを効果的に使い森のミスを誘い6-6に追いつくと、そのまま畳みかけ、3球目攻撃も決めて9-6とする。この後、スロープレイで主審からイエローカードを貰うアクシデントもあったが、ユエンは動じず2本取って11-8で1ゲーム返す。
4ゲーム目の出だし、ユエンがまたバックの緩い球で粘って森のミスを誘ったかと思えば、次は一本緩い球からのスピードボールで森を打ち崩す。11-4でタイに持ち込み、ダブルスに続きファイナルゲームへ。
ファイナルゲーム、森は切ったツッツキからカウンターフォアドライブで6-7。次を攻撃に押されて森が下がったのを見て、ユエンが前に落として森のミスを誘い7-7。次のバックの切り合いをユエンが制して8-7。やはりユエンペース変わらずかと思ったところで、レッドエルフがタイムアウト。タイムアウト明け、森のフォア前サーブをユエンがフリックミスで8-8。ここから森が我慢してユエンのミスを誘い、また不運なネットインもあり、マッチポイントを握られる。最後は森の台から出たフォア側のサーブに対しユエンのレシーブドライブがオーバーして、悔し過ぎる敗戦となった。
やはり1マッチもくれないのでしょうか!悲嘆にくれる中、ハーフタイムの新体操の流麗な動きに心癒され後半戦へ。ここでレッドエルフから登場するのは日本の大エース、世界のトップ選手、伊藤美誠!!
会場中が伊藤有利と思うのも仕方ない。1週間ほど前に行われたアジアカップでも素晴らしい活躍をした伊藤に成本が挑む。
第1ゲーム、成本が伊藤のサーブを上手く処理、フォアスマッシュもブロックで前陣で返していく。サービスエースも決まり、伊藤を打たせるような展開に。10-8で最後は王子サーブでサービスエースを取り、見事先制。
ゲーム間、今日は和田コーチはベンチ入りせず、張コーチからアドバイスをもらう。
第2ゲーム、伊藤のサーブが効き始め、今度は成本が打たされる。成本は球がクロスに集まり伊藤のカウンターを食らう。4-11で第2ゲームを落とす。
伊藤にエンジンがかかり始めたかと思った第3ゲーム、1-1から成本がサービスエース。次のラリーもとり3-1。バックハンドの攻撃も効き成本のペースで試合が進む。6-4からしゃがみこみサーブでまたエース。伊藤のサーブミスにも助けられ9-6。9-7から伊藤に回り込み強打を浴び9-8となり、流れを渡さないとカグヤライズはタイムアウトを取る。しかし、次の伊藤のフォア前への巻き込み上系サーブに対し、成本のツッツキが浮いてスマッシュを浴び9-9。成本のフォアサイドを切る順横サーブを伊藤かバックで取りに行ってミスして10-9。ゲームポイントで成本が王子サーブを出すも伊藤がバックハンドでレシーブエース。最後は伊藤の回り込みのフォアハンドを成本が抑えきれず、10-11で第3ゲームを落とす。タイムアウトも取ったこのゲームを落としたのは痛かった。
完全に持っていかれてもおかしくない第4ゲーム。成本が伊藤のカーブドライブを回り込んで倒れ込むようにシュートでかけ返し得点すると一気に成本のゲームに。どのサーブも効き、攻撃もよく決まり11-3でとり、三度ファイナルゲームへ。
ファイナルゲーム、成本にチャンスがあるかと思われたが、伊藤は崩れなかった。伊藤のフォア前への巻き込みショートサーブへのレシーブミス、長いラリーを伊藤が打たずに粘り切りバックのくせ球で得点するなど一気に6-10とマッチポイントを取られる。最後はバックへのロングサーブを成本が持ち上げたのに対し、バック強打を決められた。またしても惜しい敗戦。しかしながら伊藤美誠に対して大接戦を繰り広げた成本に、観客からは惜しみない拍手が送られた。
カグヤライズの敗戦は決まったが、ダブルスのリベンジを果たしたいキム。しかし赤江のパフォーマンスが素晴らしい。素早いフットワークに鋭いスイング。巻き込みサーブにも苦しめられ4-11、5-11と2ゲーム落とす。
第3ゲーム、キムは変わらず粘りの卓球。少しずつ赤江のサーブにも対応し始める。8-10からどうにか10-10に追いつき、最後レシーブがエッジに当たるラッキーで11-10で取り返す。
第4ゲームから焦りからか赤江にミスが出始める。キムはペースを変えずに手堅い卓球。8-2から8-5まで追いつかれたところで、タイムアウトを取り、このゲームも11-6で取る。4試合連続ファイナルゲーム突入だ。
ファイナルゲーム、キムはペースを保ち11-8で取り見事な逆転勝利。遂にレッドエルフから1マッチ奪い、一矢報いた。
絶対王者レッドエルフに対し、前回の屈辱の完全ストレート負けとはうって変わり、今回は全試合がビクトリーマッチに突入する大激戦。敗れはしたものの、確かな手応えとともに試合を終えた。次戦はトップおとめピンポンズ名古屋戦。今度こそ目指せ初勝利!!
今は昔、日出ずる国にシロートアカデミーの翁といふ者ありけり。スウェーデンのワルドナーやパーソンといふ卓球のスーパースターに憧れけり。憧れが憧れのまま終わりけり。いとあはれ。京都の池袋社長にいざなわれ、球を打たずにキーボードを打ち始めけり。白星となるや、黒星となるや、カグヤライズの星取物語、始まり始まり。
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