2022年10月8日、開幕戦以来の九州アスティーダ戦はアクシオン福岡で行われた。先日のパリオリンピック選考会でも使われた会場である。京都カグヤライズにとっては初の関東圏以外での試合となった。九州アスティーダに開幕戦のリベンジを果たし、初白星を手に入れたい。
DJが卓球会場とは思えないクールなダンスミュージックを流す中、試合前の練習が行われた。九州アスティーダ 塩見・出澤の異質ラバー対策で張莉梓コーチが表ソフトを使ってダブルスの練習相手を務める。
試合前にはMCによる観客インタビューが行われ、先日の全日本クラブ選手権で女子チームが優勝した初喜TTCの選手が加藤選手へエールを送った。また服部福岡県知事が加藤選手を相手に始球式を行われ、見事なフォアハンドのラリーを披露された。
観客数は少ないながらも、皆さんの素晴らしい手拍子で試合前から会場は盛り上がりを見せた。
第1マッチのダブルス、カグヤライズは先日選手登録したばかりのサウスポー、マーユーハンを起用。
ウェイ ウェンション・マー ユーハン vs 塩見 真希・出澤 杏佳の対決となった。
第1ゲームは事前の練習通りに、相手の異質ラバーに対し、回転をかけたドライブでしっかり繋いでいく。レシーブでは切ったツッツキからの展開で勝負。アスティーダペアも地元での試合の緊張からかイージーミスが多く、助けられる。マーは気合十分で声を出してプレイ。10-8リードからウェイの切ったツッツキを出澤がミスして見事第1ゲーム奪取。
第2ゲームはラブオールからウェイがレシーブをフリックから入り虚をつこうとしたが惜しくもミス。その後は第1ゲームと同じように切ったツッツキからラリーを展開しようとするが、アスティーダペアもそうはさせじと横回転の入ったサーブでツッツキを浮かせようとするなど作戦を変えてくる。あっという間にやられてしまい、2-11で第2ゲームを取られる。
6-6から始まる第3ゲーム、カグヤライズのドライブ連打で一点先取するも、ウェイのツッツキが浮き出澤に狙い打たれるなど、7-9と逆転される。たまらずタイムアウトを取るが、マーのバッククロスのドライブを出澤が見事にストレートに叩き7-10。次の塩見の切ったツッツキをマーが持ち上げられず、ダブルスは敗戦となった。
マーは気合十分ながらもまだTリーグの雰囲気になれていないか、ミスも目立った。次戦に期待。
第2マッチはベンチから大きな声援を送り、チームのムードメーカーになっていた。
第2マッチのシングルスは、マーと同日に登録したユエン シュエジアオ vs 牛嶋 星羅。
ユエンはTリーグ開幕シーズンに木下アビエル神奈川で大活躍した実力者である。試合前の練習から集中力の高さが伺えた。しかし、牛嶋は開幕戦でドゥを苦しめており、油断はできない。
第1ゲーム、ユエンは早い打点のカット打ちからミドルへのとどめの強打で試合をスタート。そのまま一気に7-0まで離す。しかしここから4連続失点で7-4。焦りが見えるか、10-10のデュースとなり、次を3球目空振りで10-11と逆転を許してしまう。
しかしここで崩れないのがユエン。第2ゲームはツッツキで繋ぎ、機を見てドライブを打つ展開で落ち着きを取り戻す。後半は攻撃も増やして11-6でゲームを取りタイに戻す。
第3ゲームは牛嶋のバックカットの変化、高い守備力に中盤まで苦戦するが、長短をつけたツッツキで上手く攻略。一気に抜け出し最後はユエンの技ありナックルドライブを牛嶋がネットにかけて第3ゲーム奪取。
第4ゲームは、攻撃のミスも減り4-3から4連続得点で一気に突き放す。10-5のマッチポイント、長いラリーで失点した際には、自分からタイムアウト。盤石の試合運びを見せる。この後、10-8まで追い上げられるが、最後はドライブがネットにかすめ第4ゲームをとり、自身のカグヤライズでの初戦を見事勝利で飾る。チームとしても1-1のタイとなった。
第3マッチは成本 綾海 vs 加藤 美優。開幕戦と同じカードだ。
成本は栃木国体でも活躍したばかり。その勢いを福岡まで持ってこれるか。
第1ゲーム、成本は開幕戦であまり有効でなかった王子サーブを封印。一方加藤は前回と違い、最初から様子を見ずに攻めてくる。しかし、試合途中でなんと虫が邪魔して加藤を波に乗せない。本物のお邪魔虫である。カグヤライズの竹のユニフォームに防虫効果があるわけではないが、成本には悪い虫は寄り付いていないようだ。ただしウェイは会場練習の時から虫を気にしていた。
虫による中断にも成本は集中力をキープし、終盤にはレシーブドライブでエースを2本決めて11-8で取る。
第2ゲームは加藤の攻撃が一層厳しくなり、徐々に押される。ラリーになった時に、最後の一本を取り切れない。5-11で落とす。
第3ゲームは序盤、成本の攻撃が決まり4-1と離す。しかし加藤は大事なところで必ず質の高いドライブを入れてきて、成本が打っても打っても一本多く返してくる。7-5とリードしていたが、5連続失点を食らい、最後8-11で第3ゲームも奪われる。
第4ゲーム、成本は実力者加藤に負けじと厳しくしつこく攻め続ける。しかしどうしても最後加藤に捕まる。最後は不運なエッジで8-11で第4ゲームを落とした。
加藤に連敗となった成本だが、何本でも返してくる加藤に、守らず、動いて攻め抜いた。
次の対戦では行けるはず。頑張れ、成本!
第4マッチは、またしても開幕戦と同じカードのウェイ ウェンション vs 野村 萌。
開幕戦ではウェイの美しいバックドライブを野村が叩く、息をのむラリーが展開されたが、今日はウェイが精彩を欠いた。
第1ゲーム、ウェイのバックドライブが決まらず、一方野村はスマッシュを連発。5-9まで離され、あっさりゲームを取られると思ったが、ウェイは諦めず、10-10のデュースに。最後ウェイの切ったツッツキを野村がミス。調子が上がらない中、よく追いついた!
しかし、第2ゲームは野村の両ハンド攻撃がフルスロットル状態。ワンサイドゲームになり3-11で落とす。
第3ゲームはウェイがバックドライブで野村のフォア、バック、ミドルとコースを振り始める。しかし前回と違いバック対バックで野村に明らかに押され、先にミスが出る。終始リードを許し、7-11で第3ゲームを取られる。
第4ゲーム、ウェイはバックドライブが入らず苦い顔。それでも我慢我慢の卓球で、7-5とリード。しかし、7-7に追いつかれてタイムアウトを取る。タイムアウト明け、流れを変えられず、野村のネットインとウェイのバックドライブのミスで7-10。最後はウェイのフォア前サーブを余裕の出た野村がバックでレシーブしてフォアを抜いた。
なかなか白星に恵まれないウェイだが、これでチーム最多の7試合に出場し、チームを支えている。十分休養を取って欲しい。
カグヤライズは連敗しても、下を向くことなく、10月22日にカルッツかわさきで行われる木下アビエル神奈川戦に向かう!
今は昔、日出ずる国にシロートアカデミーの翁といふ者ありけり。スウェーデンのワルドナーやパーソンといふ卓球のスーパースターに憧れけり。憧れが憧れのまま終わりけり。いとあはれ。京都の池袋社長にいざなわれ、球を打たずにキーボードを打ち始めけり。白星となるや、黒星となるや、カグヤライズの星取物語、始まり始まり。
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